アメリカのブリガムヤング大学人文学部が“Humanities+”という取り組みを行っている。サイトの説明によると、特に人文学部の学生は最初の働き口を見つけるためには、人文学の素養だけでなく、ビジネススキルや経験を身に着けプランを練っておく必要がある。そのためこの“Humanities+”では、学生に対して、米国内外のインターンシップや、教員のメンター付きの研究活動、副専攻・留学等の機会等を提供している、という。
説明だけを読むと、日本でもよくある学部生向けの就職支援かのように思うが、さらにこの“Humanities+”のブログでは次の2つの視点から「人文学と(ビジネス)社会」をテーマとした情報提供を行っている。
・“Humanities+”:伝統的な人文学領域と個々の職業との間を結ぶようなアイディアやリソースを提供する。
・“+Humanities”:ビジネス、社会学、エンジニア、法学部の学生等に対して、人文学部が提供するスキルがそれぞれのキャリアにとってなぜ役立つのかについて、その理由と学ぶ上での戦略を伝える。
上記いずれの視点も、サイトの説明にあるように、「ビジネスの場において人文学的スキルの有用性は十分認められている」という前提に立っている点が興味深い。つまり、単なる就職支援活動というわけではなく、人文学のアドヴォカシー活動としてこの取り組みはとらえられるべきなのだろう。
—————-
いつだったかGoogleに入社する人文学専攻のドクター(?)について取り上げたアメリカの新聞記事があったり、最近ではイギリスの偉いさんは人文学を修めた人が多いという調査結果もあったりしたが、それに連なる取り組みと解せばよいか。
「人文学はビジネスの役に立たない」と思ってしまっている/思われていることの妥当性を、日本でも問われなければならないかもしれない。(もう問われているかもしれないけれど。)