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Googleとスペイン文化省の協力によるセルバンテス死去400周年記念ウェブ展示“The Routes of Cervantes”

2016年6月8日、Googleとスペイン文化省の共同によるウェブ展示“The Routes of Cervantes”が公開された。セルバンテスの死から400周年を記念したもの。

展示は、スペイン国内の8つの文化機関の所蔵する資料などを使って作成されており、その内容はかなり充実している。

例えば、最初にある”Discover the life” は、ナレーション&史料付きでセルバンテスの生涯を紹介しているし、その他18の展示では、ドン・キホーテの表象やセルバンテスを芸術で表現したもの、ストリートビューで回るセルバンテスの生家等がある。また、展示以外では999件のデジタル資料やいくつか動画も公開されている。

色々眺めていて面白いしためにはなるが、惜しむらくは、各展示に参考文献がつけられていないこと、だろうか(当然、資料の出典はある)。例え、デジタルな資料を多用して見栄えを良くしても、読み手がより深く知り、あるいは裏を取るための手立てを読み手に残しておかないと、どうも不親切なように思えてならない。

まあ、眺めているだけで十分面白いのですが。

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文化機関向けに「使える」研究成果を300単語で発信 King’s College London の”CultureCase”

コンセプトが気に入ったのでご紹介。

このほどKing’s College LondonのCultural Instituteが立ち上げた”CultureCase”は、文化機関の諸々の活動で役立つものと言えそうだ。

“CultureCase”は、いわゆるアカデミックな研究内容をわかりやすく紹介するポータルサイトだが、その目的がより限定的なところに特徴がある。すなわちこのサイトは、教育や経済、環境に対して与える芸術や文化のインパクトや、消費者行動やファンドレイジング等に関する学術的知見を提示することが目的とされている。これらにより文化機関は、文化の意義をアドボカシー活動で示したり、意思決定に際してその根拠に基づいた 判断をするのに役立てることができるという。

研究成果は、「使う」局面ごとにカテゴリで分類されており、個々の研究成果の紹介ページには、300単語でその研究内容を紹介するサマリー、そして 研究文献へのリンクや研究者のアドレスも記載されている。

「研究と社会をつなぐ」ために、「つながりたい」相手の、それも「使う」場面
を想定した(人文)科学コミュニケーションの手法には、いろいろ学ぶべきところがあると思う。

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ネタ以外に歴史学を使う場面は、さてどのようなものだろうか。

CultureCase

King’s College London launches CultureCase – Digital Meets Culture

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移動式デジタルメイカースペース“DHMakerBus” プロジェクト始動

2013年4月14日に、カナダのウェスタン大学の院生による“DHMakerBus”というプロジェクトが発表された。このプロジェクトは、バスを使った移動式のデジタルメイカースペースを作ろうというもので、その運営を通じて、Digital Humanitiesの一般への発信、つまりDigital Public Humanitiesを目指すものだと言えるだろう。

このプロジェクトは、まず、寄付を募って(ロンドンの?)スクールバスを購入し、その内部をメイカースペースへ改造するところから始められている。

その後、メイカースペースとしての更なる充実を図るために、今年アメリカのネブラスカ大学リンカーン校で開催されるDHの国際会議(DH2013)に参加して、参加者からアドバイスをもらう予定。そのため、当然のことながら、現地まではバスで移動という。

その後ロンドンに行き、UnLondon Digital Media Associationから支援を受けて、移動式メイカースペースとしてロンドン市民に貢献しようというものだ。

メイカースペースの設置が相次いでいるが、それをバスにしようという発想はなかったし、ましてやそれがDHと結びつくのかと驚いた次第。

なかなか面白い取り組みだと思う。しかしなぜカナダの院生がロンドンなんだろうか。

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Digital Public Humanitiesをテーマにしたプレゼン資料

ブラウン大のSteven Lubar教授(米国研究、米国史、芸術・建築史)が、2012年10月13日にNew England American Studies Associationの大会で行った基調講演のプレゼン資料等一式を、氏のブログで公開されている。

テーマは“Digital Public Humanities”。Digital HumanitiesとPublic Humanitiesがどの程度オーバーラップするのか、どれくらい今以上にオーバーラップできるのか、について議論したもの。スライド資料とともに、ペーパーや参考資料(氏のブログ記事の一番下にリンクあり)、聴衆のTwitterまとめ等も載せられていて、いろいろ面白い。

Digital Public Humanities; Notes for NEASA Talk 10-12-2012

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自分がこれまでDHとPHの境界をあいまいにしてきたことに気づき反省。しかし、”Open Humanities”というキーワードもしっかり追っていかねば。

アメリカにおけるPublic Humanitiesの文脈や歴史を学んでおかないと、DHを理解しそこなうかもしれない。

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歴史学を社会の中へ パブリックヒストリーに関する情報共有の場“History@Work”が公開

過去を現在に役立たせ、歴史家と一般市民との協同を促進するための活動を行っている、アメリカのNational Council on Public History(NCPH)が、“History@Work”という新ウェブサイトを公開した。

“History@Work”は、NCPHが行っているH-Public(H-Netのパブリックヒストリーに特化したもの)を広げ、パブリックヒストリーに携わる人に対しそれらに関するアイディアやニュースの共有の場として、また、今後の成果公開に向けた橋渡しをするための、オンライン「コモンズ」として作成された。

具体的にこのウェブサイトで扱っている項目とその内容は以下の通り。

・Annual Conference: NCPH年次大会の情報提供

・Consulting in Public History: パブリックヒストリーについてコンサルタントをする際に役立つ情報提供

・Exhibits & Projects: パブリックヒストリ―プロジェクトの情報提供とそのレビュー。ちなみに、NCPHは、歴史展示についてレビューする“Off the Wall”というウェブサイトを公開している。

・Grad Students/New Professionals: 院生・若手研究者向けにパブリックヒストリーの実践についての情報提供

・In the Academy: パブリックヒストリーについてのアカデミー内での議論・情報提供

・International Perspectives: 世界におけるパブリックヒストリー活動についての議論・情報提供

・NCPH: NCPHの最新情報の提供

・Social/Environmental Issues:社会や環境問題についての議論・情報提供

なお、“History@Work”とは、NCPHのスローガンである“Putting history to work in the world”に基づくもの。ちなみに、このNCPHのスローガンは、1931年にアメリカ歴史学会(AHA)会長であったCarl Beckerのスピーチ“Everyman His Own Historian”の中で出てくる次の一文“The history that lies inert in unread books does no work in the world.”に由来している。

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Carl Beckerの言葉は至言というほかない。

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カナダにおけるPublic Historyのためのサイト“ActiveHistory.ca”

歴史研究者と一般市民・政策立案者・メディアとの間を結びつけるための支援を行う、カナダにおけるPublic Historyのためのウェブサイト。2008年9月にGlendon Collegeで開催された会議“Active History: History for the Future”での議論を形にしたものという。

このプロジェクトは、いつぞやこのサイトでも取り上げた、イギリスの“History & Pilicy”をモデルにしている。プロジェクト参加の研究者は現在カナダ国内の50名程度で、データベースに登録されているようだ。ウェブサイトでは、参加研究者によるペーパーが公開されたり、書評が掲載されたり、またPodcastも提供されている。また、カナダゆえに、サイトは英仏の2言語で作成されている。

c.f.

政策に歴史学が関わるために “History & Policy”というイギリスのプロジェクト

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パブリックヒストリーの実践は興味深いし、日本で取り組む上では参考になるだろう。

だが、それが、受け手側からどのような評価を与えられているのかについてはどのようにはかったらよいのだろうかと思う。

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現代社会の問題を歴史学の観点から論じるオハイオ州立大学歴史学部の月刊誌“Origins”

“Origins”は、アメリカのオハイオ州立大学歴史学部における、Public Historyイニシアティブのプロジェクトとして、毎月発行しているウェブ雑誌だ。創刊は2007年10月の模様。

毎号雑誌では、大学の研究者等が歴史学の観点から現代の政治や文化、社会等に関する諸問題を、より広くかつ深い文脈の中で論じた記事を掲載している。記事には画像やマップ、グラフ等も掲載される。

最新号の2011年10月号では、国連の60年に及ぶPKO活動の歴史からその活動の現状や困難さが論じられている。執筆者は、同大学で国際政治や国際紛争等を教えるDonald Hempson氏とのこと。

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この取組みも、歴史学の知見を社会に「役立てよう」とするもののひとつだろう。

現代を知るために過去を学ぶ、というのが(多分)歴史学徒のスタンスの一つであろうが、それを実践している事例はあまりないかもしれない。

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