平成23年3月付けで、株式会社日本経済研究所が作成した文科省による委託研究「大学の教育研究が地域に与える経済効果等に関する調査研究」が、9月22日に公開されている。
冒頭次のようにある。
地方大学においては、学生のみならず、地域の住民や民間企業等を対象とする様々な活動が行われている。地方大学が地域にもたらす経済効果を把握するためには、大学が行うこれらの活動を整理する必要があると考えられる。…
そこで、附属病院を伴う総合大学であること、大都市圏に立地していないこと、学生数等大学の規模が同等であること等といった観点にもとづき抽出した3つの地方大学と、当該大学が立地する地域の民間企業、地方公共団体、有識者等からのヒアリングを踏まえ、地方大学で行われている活動とそれらの活動が地域経済に与えている効果を整理することとした。…
まず、地方大学で行われている活動を「教育」「研究」「社会貢献」「消費」の四つの類型に分類した。…
なお、比較対象として選ばれているのは、富山大・徳島大・長崎大の3校となっている。
最後に、「第2章 大学の教育研究が地域に与える経済効果の総合評価」「1.事例における地域への経済効果(まとめ資料)」(p.22)では、
…分析結果を総括すると、大学における様々な活動は地元県の経済に大きな効果をもたらしていることが明らかとなった。教育活動による所得増加効果、税収増加効果は地元県の経済にとって大きな効果になっている。それに対し、研究活動による効果は、共同研究等の相手先企業は県外に立地する企業が多いことから、地元県内はもちろんであるが、むしろ全国に効果をもたらしていることが想定される。大学が行う様々な社会貢献活動は、定量的な把握には至らなかったが、地域の人材育成や地域の行政改革等に寄与していることが分かった。また、大学が立地することによる効果は、様々な消費活動を通じて地元県の経済に波及効果をもたらしている。…
とあり、第2章の「2.効果分析における今後の課題」(p.42)で、次の2点で課題が指摘されている。
(1)教育活動による効果
(2)社会貢献活動による効果
- 「大学の教育研究が地域に与える経済効果等に関する調査研究」 – 文部科学省 – 2011.09.22