ZoteroとMendeleyにDHの日本語文献をまとめるグループ”Digital Humanities (Japanese) / デジタルヒューマニティーズ(日本語文献)”を開設しました

文献管理ツールのMendeleyに、Digital Humanities(デジタル人文学/デジタルヒューマニティーズ/人文情報学等)の日本語の文献を共同でまとめるグループを開設しました。Publicの設定にしているので、どなたでも参加・閲覧可能です。

DHの文献グループは、MendeleyやZotero等にそれぞれ複数あり、また英語だけでなくスペイン語、フランス語などでそれぞれ情報がまとめられているところですが、日本もあればよいかな、と言うことで作成しました。

※その後、MendeleyだけでなくZoteroにも同様にグループを作成しました。(2014/1/31追記)

あまり熱心に更新することはないかもしれませんが、何かあればぼちぼち載せていきたいと思います。

つきましては、ご協力いただける方あるいは関心のある方、どうぞご参加ください。

Menedely: Digital Humanities (Japanese) / デジタルヒューマニティーズ(日本語文献)

Zotero: Digital Humanities (Japanese) / デジタルヒューマニティーズ(日本語文献)

第一次世界大戦史料ポータル”Europeana 1914-1918″ ついに公開

2014年1月29日、かねてから予告されていたとおり、Europeanaによる第一次世界大戦史料ポータル”Europeana 1914-1918″がリニューアル公開された。

主な史料は次の通り。

・個人宅に眠る未刊行の書簡・写真史料など。9万点以上の史料がデジタルかされている。
・Europeana Collections 1914-1918 プロジェクトとして行ってきた、各国の第一次世界大戦関連のデジタル化史料40万点以上。
・フィルムアーカイブ:European Film Gateway 1914プロジェクトによる660時間のフィルム。ニュースやドキュメンタリー、フィクション、プロパガンダ・反戦フィルム等が含まれる。当時の完全な形でのサイレントフィルムがたったの20%しか残っていないことを考えると、貴重なコレクションなのだとか。
・Digital Public Library of Americaや、オーストラリアのTrove、ニュージーランドのDigital New Zealandからの史料提供も。

史料のブラウジングは、書簡や日記、絵葉書等の「資料種別』や、プロパガンダ・捕虜・女性といった「テーマ」、イタリア戦線や東部戦線等の「戦線」で行うことができる。

ちなみに、公開に併せ、30日と31日にはベルリンの図書館で国際カンファレンス’Unlocking sources – The First World War online & Europeana’が開催されている。

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すごいすごいと言うのはそろそろやめて、こういうのをどうやって歴史学的に評価すればよいのかを考えたい。

人文系若手研究者のキャリアパスを考える#Alt-Academyプロジェクトが新体制に – 新規エッセイシリーズ公開など

メディア研究者のコミュニティネットワークであるMediaCommons内の一プロジェクトである#Alt-Academyが、このほど新体制に代わり、再出発となった。

#Alt-Academyは、2011年にバージニア大学のScholars’ LabのBethany Nowviskieが立ち上げた、人文系若手研究者のキャリアパスの体験談等を集めるプロジェクトである。日本と同様にアメリカでも人文系若手研究者の就職は厳しく、いわゆる、専門分野の研究者にならず(あるいはなれずに)、大学内で別の関連ポストに就いたり、博物館や図書館、学術出版社、歴史協会、公的な人文系関係機関へ就職したりしている。これらの体験談や実践例を集めることで、他分野のキャリアパスへ進むことに対する人文系研究者のネガティブな意識を変えること等を目指している。

この度の新体制移行では、

・メイン編集者が上述のBethany Nowviskieから、MLAのMLA Commonsでエディタを務めるKatina Rogersに代わった。
・ エモリー大学のDH研究者Brian Croxall編集による新エッセイシリーズLooking for Signpostsがスタート
・および、今後の定期的なサイト更新を予定
・これまでのBethany Nowviskieが編集してきた32名によるエッセイ全24編を、PDF、EPUB形式で電子書籍としてまとめた。

とのこと。

ちなみに、Katina Rogersにはこれまでに人文系若手研究者のキャリアパスと大学院教育に関する調査研究の実績があり、それらも#Alt-Academyプロジェクトの一部(あるいは背景)として公開されているので、読んでおきたい。

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若手研究者問題では、図書館利用の問題など、若手がいかに”研究者としてありつづけるか”、そのための議論を求められるが、自分は人文学研究が存続し続けるためには、それらの議論と同じほど、キャリアパスの問題は重要だと思っている。ので、今後はこちらの議論も進めていきたいところ。

英国立公文書館が第一次世界大戦の英国兵士の日誌をデジタル化公開 クラウドソーシングによる史料へのタグ付け協力も募集

2014年1月14日、英国国立公文書館(The National Archives)が、第一次世界大戦でフランスおよびフランドル地方で戦闘に参加した英国兵士の日誌をデジタル化公開した。

これは、同館の第一次世界大戦100周年記念プログラムの一環で行われたもので、これまで150万ページがデジタル化されている。今回公開されたのはその一部で、30万ページに留まるが、年内には全史料の公開が予定されている。

また、同館とImperial War Museums、そしてZooniverseの3機関が共同で、”Operation War Diary”というサイトも同時に公開した。こちらは、一般市民の協力を得てクラウドソーシングで史料へのタグ付けを行うものとのこと。

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ということで、#WWI に関するDHプロジェクトまとめにも追記

 

 

オランダ史の雑誌”BMGN – Low Countries Historical Review”最新号がデジタルヒストリー特集

オランダやベルギー史に関する雑誌”BMGN – Low Countries Historical Review”の最新号(vol.128, No.4, 2013)が、デジタルヒストリーの特集を組んでいる。同誌は1969年にそれまで2つあったオランダ史の雑誌が1つになって誕生したもので、歴史ある雑誌のようだ。

オープンアクセス誌で、英語のものも複数ある。以下は、デジタルヒストリーの論文部分のみを抜粋。

“On Digital History”, Gerben Zaagsma,  3-29
“The Scent of the Digital Archive: Dilemmas with Archive Digitisation”, Charles Jeurgens,  30-54
“Big Data for Global History: The Transformative Promise of Digital Humanities”, Joris van Eijnatten, Toine Pieters, Jaap Verheul, 55-77
“Digital Historical Research: Context, Concepts and the Need for Reflection”, Hinke Piersma, Kees Ribbens, 78-102
“History as Dialogue: On Online Narrativity”, Chiel van den Akker, 103-117
“Public History in a Digital Context: Back to the Future or Back to Basics?”, Fien Danniau, 118-144

<Forum>
“‘Het einde van de geesteswetenschappen 1.0′ – ‘The End of the Humanities 1.0’ “, Geert Janssen, Kaat Wils, 145-146
“A Smell of Higher Honey: E-Humanities Perspectives”, Inger Leemans, 147-154
“Veins filled with the Diluted Sap of Rationality: A Critical Reply to Rens Bod”, Andreas Fickers, 155-163
“A Higher Form of Hermeneutics?: The Digital Humanities in Political Historiography”, Marnix Beyen, 164-170
“Who’s afraid of Patterns?: The Particular versus the Universal and the Meaning of Humanities 3.0”, Rens Bod, 171-180

 

ADHOが新たにSIGを結成 – Linked Open Data (DH-LOD)

Alliance of Digital Humanities Organizations (ADHO)が、新たにSpecial Interest Group(SIG)としてLinked Open Data (DH-LOD)を結成した。ADHOのSIGは、GO::DH、GeoHumanitiesに続き3つ目。

このSIGの目的は、オンラインでオープンな状態にある人文学リソースの連携を促進しつつ、DHコミュニティとセマンティックウェブのコミュニティとを架橋することにあるという。

DH-LODは既にウェブサイト、Twitter、listservを開設し、分野・国を問わずメンバーを募集している。

デジタル時代の歴史学にとってのTEI - HistorySPOTの講演動画&音声が公開

2013年12月19日、イギリスIHRのHistory SPOTが、デジタル時代の歴史学研究にとってのTEIをテーマにした講演“Rethinking Historical Research in the Digital Age: A TEI Approach”の動画と音声を公開した。

フランス国立古文書学校 (E’cole nationale des chartes)で博士号を取得したCamille Desenclosが、”2012年”10月9日に行ったもの。ちなみに氏の博論タイトルは‘The Communication Policy of France in the Holy Roman Empire at the beginning of the Thirty Years War (1617-1624)’とのこと。

講演は、歴史研究者の史料の読み方をデジタル技術がいかに変えたのか、歴史研究それ自体が変わったとしたら、TEIはどのように使われているのか、といった内容(らしい)。
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隙をみて後でみる。

 

第一次世界大戦に関するデジタルヒューマニティーズ/デジタルヒストリープロジェクトまとめ

固定ページに「#WWI に関するDHプロジェクトまとめ / Roundup of DH projects on #WWI」を掲載した。

ここ数年欧米で第一次世界大戦に関するデジタルヒューマニティーズ/デジタルヒストリープロジェクトが盛んなので、その一部をまとめたもの。

ゆるぼによる共同研究のお誘いも掲載しています。