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『ドン・キホーテ』ポータルをスペイン国立図書館が公開 第2部刊行400周年にあわせて

2015年7月8日に、スペイン国立図書館がIberdolaと共同で、『ドン・キホーテ』のポータルサイト”Quijotes”を開設した。これは、『ドン・キホーテ』第2版の刊行400周年を記念して作成されたもの。

quijote

ポータルサイトは、同館に所蔵されている、世界40か国語以上に翻訳・編集された、3,300版を超す『ドン・キホーテ』への一元的なアクセスを提供するものとなっている。具体的には、カスティーリャ語版をはじめ、他言語版やセレクション版等の解説とその書誌情報、同館が2010年に公開した、かなり作り込まれたデジタル化初版本『ドン・キホーテ』(Quijote interactivo)や、同館のLinked Dataサイトdatos.bne.esへのリンク等が提示されている。

Quijote Interactivo

日本語版の刊行史のページを見てみると、19世紀末に子供向けの部分的な翻訳が登場し、どれも英語版をベースにしたものであることや、その後、永田 寛定、高橋正武、会田由らによるカスティーリャ語版をもとにした翻訳がなされたこと等が紹介されている。

ちなみに、国立国会図書館デジタルコレクションで検索してみると、一番刊行年が早いものとして、1893年刊の松居松葉抄訳『鈍機翁冒険譚』(!)の中身をみることができる。

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中世スペインにおける宗教的共存と対立を3D空間で学ぶVirtural Plasencia

キリスト教徒・ムスリム・ユダヤ教徒の共存と対立は、中世スペイン史における一つの重要なテーマだが、これをヴァーチャルに3D空間で再現したVirtural Plasenciaが、10月22日に公開された。

これは、アメリカ、スイス、スペインの3か国、計9大学の研究者による”Revealing Cooperation and Conflict: An Integrated Geovisual and Transcription Project for Plasencia, Spain (circa 1390-1450)”というプロジェクトの成果で、テキサス大学オースティン校の中世地図資料を扱ったDHプロジェクト “MappaMundi”の一プロジェクトに位置づけられている。

Virtural Plasenciaでは、プレーヤーはエストゥレマドゥーラにある一都市プラセンシア(Plasencia)の15世紀(1416~1455)の街並みを散策しながら、様々なトピック――例えば当時のワイン製造等――を通じて、宗教的共存と対立を学ぶことになる。プラセンシアは、その後のスペインそしてヨーロッパを形成する上で重要な諸々のイベントに関わることから、この都市が同プロジェクトで選ばれたようだ。

興味深いのは、3D空間で紹介されるトピックの”作成の仕方”である。紹介される史実は、(当たり前のことだが)史料に基づいて記述されており、表示される解説文でも史料の引用が多数行われている。これらの史料は、プラセンシアの大聖堂や市の公文書館の所蔵資料だが、特に大聖堂のアーカイブズの利用は指定の一週間に数時間程度のもので、ノンビリ読む間もない。そのためこのプロジェクトでは、2014年夏と秋に開講されたMOOCのコース”Deciphering Secrets: Unlocking the Manuscripts of Medieval Spain”の受講生をcitizen-scholarsとして、デジタル化史料の翻刻と分析に参加させるという手法を採ったという。

現在のプラセンシアの大聖堂前

 

既に同プロジェクトはver.2.0の開発に着手しており、今後は、散策できるエリアの拡大やインターネット教育リソースの提供機能、ソーシャルメディアとの連携、そしてプレーヤーをアバターで表示させる機能を追加する予定とされている。

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誰もいない空間を歩き回るのは、少し、いやかなり違和感がある。また、一トピックで読む解説文が長すぎて、3Dにした意味があまり感じられない。とても興味深いかつ意義のあるプロジェクトだと思うので、今後の改善に期待したい。

 

 

 

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スペイン・ポルトガル語圏のデジタル人文学・社会科学の現状をまとめたマップ”Atlas of Digital Humanities and Social Science”が公開

スペイン・ポルトガル語圏を中心にした、デジタル人文学・社会科学に関する研究者・研究センター・研究プロジェクトのマップ”Atlas of Digital Humanities and Social Sciences”が、Day of DH 2014の開催にあわせ、2014年4月8日に公開された。

 

Atlas of Digital Humanities and Social Science

 

これは、グラナダ大学のプロジェクトGrinUGR(Collaboratory for digital cultures in social sciences and humanities)と、2013年6月のDia de HD(スペイン語圏版DHの日)を発端に開始されたElika Ortega、Silvia Gutierrez両氏によるプロジェクトMapaHDとの共同プロジェクトとしてのものである。

この世界地図には、118名の研究者、36件のプロジェクト、14のセンターと10件のリソースがマッピングされている。収録データは、ウェブアンケート、人づての情報収集、Twitterのリスト、プロジェクト・センターのウェブサイトに基づくものという。

特徴としては、非英語圏であるイベロアメリカ圏を中心にしていることはもちろんのこと、DHのみではなくデジタル社会科学の領域も含めていること、それらの収録データをオープンデータとして公開していること等が挙げられている。

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少し見てみた感想としては、
・マッピングによる表現方法は、現在の研究状況の広がりを示すうえでは有効な手法だと思う。だが、歴史学の研究者としては、研究プロジェクトがどの時代を対象にしているのかが伝わりにくくなると思うので、タイムラインもあればよいのかなと思った。
・実際の研究成果、例えば論文等にもリンクさせていると、Dialnet等で調べる手間が省けるだろうと思う。

とはいえ、ちょうどスペインのDHについて論文を書いているところなので、積極的に活用したい。

 

 

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スペインの歴史・社会科教育のためのリソース集

バルセロナ大学のJoaquim Prats Cuevas教授らが運営している歴史・社会科教育のためのポータルサイト“Histodidactica”が、歴史・社会科関係のリンク集を作って公開している。今回初めて公開されたのかどうかは不明。

リンク集は大きく以下の8つに分類されている。

1. 教育リソース一般のポータルサイト(歴史・社会科を含む)

2. 雑誌や論文リポジトリ等

3. ブログやウェブサイト

4. 史料、歴史をテーマにしたリンク集や要約類

5. メディアテカ(メディア+図書館)、電子ジャーナル関係、博物館等

6. 教室で使えそうな地図等

7. 統計データ

8. 歴史や社会科教育雑誌

かなりの量の情報がまとめられているので、スペインの歴史教育だけでなく、Digital Historyの資料としても重宝しそうだ。

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13世紀末から16世紀初頭までにカタルーニャ語で書かれた/翻訳された科学・技術関係史料データベース “Sciència.cat DB”

13世紀末から16世紀初頭にかけて、カタルーニャ語で書かれた、もしくはカタルーニャ語に訳された、科学・技術関係史料に関するデータベース“Sciència.cat DB”。これは、“Sciencia. cat”という、あまり知られていない/研究されていない中近世カタルーニャの歴史的な遺産へのアクセスを高める活動を行っている、バルセロナ大の研究グループが作成したもの。

データベースは、作品、マニュスクリプト、インキュナブラ(1800年まで)、文書館資料、著者名・翻訳者等の人名、二次資料等の参考文献等が収録されており、英語、スペイン語(カスティーリャ語)、カタルーニャ語で利用できる。

なお、作成したバルセロナ大の研究グループは、NarpanDBというカタルーニャにおけるDigital Humanities研究イニシアティブで提供している、1500年までにカタルーニャ語に翻訳された文献史料のデータベース“Translat DB”等の他のデータベースも、“Sciència.cat DB”を補うために活用してほしいとしている。

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スペイン・イベロアメリカの近代史ポータルサイト

その名の通り、近代史関係の情報を提供するポータルサイト“Portal de Historia Moderna”。Braulio Pareja Canoさんという方が運営されているようだ(が、経歴等はわからず。)

サイトは、ニュース・イベント関係、図書・雑誌、近代史を教えている大学情報、文書館・図書館、歴史関係ブログ、ウェブリソース、地図、出版社、賞や奨学金の情報といった、テーマごとに分けて情報がまとめられている。

紹介されている情報は、ほとんどスペイン、時々イベロアメリカといった具合だろうか。

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近代スペイン史を専攻する奇特な方は見ておいて損はないと思う。

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CSICとスペイン文化省が“Catálogo Monumental de España”全39巻をポータルサイトで公開

CSICとスペイン文化省が、1900年から1961年にかけて刊行された未完のCatálogo Monumental de Españaをデジタル化しポータルサイトで提供を始めている。

Catálogo Monumental de Españaは、スペインの各県の文化遺産の登録と記録のために20世紀前半に行われたもの。

今回公開されたポータルサイト“Catálogo Monumental de España”では、CSICの図書館所蔵のCatalogo全39巻が提供されている。

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ありがたや。ただどうせなら、19世紀に行われた文化遺産保存のプロジェクトの成果も併せてデジタル化してくれたらもっとありがたいのに。

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