撮影した史料画像等を管理するためのソフトウェアTropyを使ってみて

Capture - Tropy - https___tropy.org_

Tropyというソフトウェアを使ってみた。

Tropyは、文書館で撮影した史料画像やデジタルアーカイブで公開されているデジタル化史料等をローカルで管理するためのソフトウェアで、2017年10月24日にver.1.0としてリリースされたものである。

他の人がどのように史料データを管理されているのか知らないが、自分はこれまで文献管理用ソフトのZoteroにメモをつけておいたり、OneNoteに訳した史料の情報を入れたりしていて、論文をまとめるときにそれらを参照するという具合だった。が、整理下手なので、どうしてもとっ散らかってしまっていたのが難点だった。

それが一元管理できるならということで、以下使ってみることにした。

  • Tropy概要

まず概要から。

Tropyは、Andrew W. Mellon財団の助成金を得て、アメリカのDHの研究拠点のひとつであるジョージメイソン大学のRoy Rosenzweig Center for History and New Mediaの研究者とウィーンの研究者らによって開発されたもの。

フリーかつオープンソースなソフトウェアで、前述のとおり、史料写真を管理することができる。

ここでいう管理とはすなわち、

・1ページずつ撮影した史料画像を複数まとめて一つのアイテムにできたり、
・テンプレートに従って史料に関するメタデータ(つまりはタイトル、日付、著者名、コレクション名やフォルダ名等)を入力したり、
・タグをつけたり、
・欄外にノートをつけておいたり、翻刻したり、

といったことができる。

  • 使えそうな機能

基本的な機能については、Tropyの公式サイトで動画が公開されているので、そちらがわかりやすい。

#動画では複数の画像ファイルをインポートしても問題なかったが、自分の環境ではしばらく固まってしまっていた。

よさげな機能だなと思ったのが、史料の一部分を選択して、その部分に対して注記や翻刻文を記述することが出来るというところ。Zotero等ではできなかったのでありがたいと思う。ちなみに、そのノート機能は1枚の画像に複数つけることができる。

また、メタデータの記述項目はテンプレートを変更することも、変更したものをエクスポートもできるとのこと。複数人でメタデータの記述を統一する必要があればよいのかもしれない。

  • 使ってみての感想

Tropyへインポートできる史料画像はJPGかPNGのみなので、PDFで管理されていると読み込みができない。いままで史料をPDFにしていたので、JPG等に変換するソフトを利用する必要がありひと手間かかってしまうのがやや面倒だが、まあ大したことではない。

ノートやタグを日本語でもつけられ、参照したい史料を行ったり来たりすることも楽にできそうなので、自分としては今後も使ってみようと思えるソフトだった。

管理に悩む歴史研究者の方はぜひどうぞ。

Zoteroに日本の歴史学におけるデジタル技術の活用を論じた文献情報をまとめるグループを作成しました

タイトル通りですが、文献管理ツールZoteroに日本の歴史学におけるデジタル技術の活用を論じた文献情報をまとめるグループとして、”History and Historiography of Digital History in Japan”を作成しました。グループには、2000年以降はあまりに増えていくので、ひとまず1999年までの文献情報を載せています。

 

GetImage

作成の目的は、「日本の歴史学におけるDHの歴史」について、実践された研究者による回想録のようなものではなく、実証的に論じられた通史が見当たらないことにあります。

上のように言い切ってよいかについてはもちろん不安はあり、例えば、「日本の歴史学におけるDHの歴史」を論じた文献に、
・『歴博』(140), 2007における「特集 コンピュータ歴史学の歴史
・後藤真「日本史学と情報技術―30年で変わったこと,変わらなかったことー」『研究報告人文科学とコンピュータ(CH)』vol. 2017-CH-115, no. 13.
等がありますが――特に後藤論文には「日本史学」とタイトルにあるように――歴史学全体を論じたものではない。

デジタルヒストリーは歴史学の体系内にいずれは位置づけられていくべき、と個人的には考えていますが、そのような場合(あるいはそうならない場合でも)、20世紀の歴史学研究において情報技術やデータベースあるいはパソコンの利用に関し、どのような議論があったのかは、ふり返りやすくしておいた方がよいと思い作成しました。これが目的です。

 

漏れが多分多数あるのではと思うのですが、ご存じの方、発見された方は、遠慮なくご登録いただけると幸いです。

 

デジタル化一次史料サイトレビュー記事が期間限定で公開 アメリカ歴史学協会の機関誌で

アメリカ歴史学協会(AHA)の機関誌”American Historical Review”(AHR)の2016年4月号(Volume 121, Issue 2)で、”Digital Primary Sources”というレビュー記事が掲載されている。そのタイトル通り、オンラインで無料でアクセス可能なデジタル化一次史料のガイドとして作成されたもので、今後続刊でも同様のリストに掲載するため、クラウドソーシングで情報提供が求められている。

また、AHRの同じ号には Lara Putnamの“The Transnational and the Text-Searchable: Digitized Sources and the Shadows They Cast”というエッセイも掲載されている。

これらは、AHR2016年2月号掲載のデジタルヒストリーのレビュー論文と合わせて、60日間非会員にも公開されており、Putnam等の提起している問題に対するオープンな議論を喚起するのがねらいとされている。

Putnamの要旨(一部)は以下のとおり。デジタル化でテキスト検索ができるようになって、歴史学研究で前提とされた「場所」からの解放が進み、トランスナショナルヒストリーとつながった、というもの。

This essay explores the consequences for historians’ research of the twinned transnational and digitized turns. The accelerating digitization of primary and secondary sources and the rise of full-text web-based search to access information within them has transformed historians’ research practice, radically diminishing the role of place-specific prior expertise as a prerequisite to discovery. Indeed, we can now find information without knowing where to look. This has incited remarkably little reflection among mainstream historians, but the consequences are profound. …(後略)

まだ斜め読みしかできていないので、後で改めてよく読んでおきたい。

中世スペインにおける宗教的共存と対立を3D空間で学ぶVirtural Plasencia

キリスト教徒・ムスリム・ユダヤ教徒の共存と対立は、中世スペイン史における一つの重要なテーマだが、これをヴァーチャルに3D空間で再現したVirtural Plasenciaが、10月22日に公開された。

これは、アメリカ、スイス、スペインの3か国、計9大学の研究者による”Revealing Cooperation and Conflict: An Integrated Geovisual and Transcription Project for Plasencia, Spain (circa 1390-1450)”というプロジェクトの成果で、テキサス大学オースティン校の中世地図資料を扱ったDHプロジェクト “MappaMundi”の一プロジェクトに位置づけられている。

Virtural Plasenciaでは、プレーヤーはエストゥレマドゥーラにある一都市プラセンシア(Plasencia)の15世紀(1416~1455)の街並みを散策しながら、様々なトピック――例えば当時のワイン製造等――を通じて、宗教的共存と対立を学ぶことになる。プラセンシアは、その後のスペインそしてヨーロッパを形成する上で重要な諸々のイベントに関わることから、この都市が同プロジェクトで選ばれたようだ。

興味深いのは、3D空間で紹介されるトピックの”作成の仕方”である。紹介される史実は、(当たり前のことだが)史料に基づいて記述されており、表示される解説文でも史料の引用が多数行われている。これらの史料は、プラセンシアの大聖堂や市の公文書館の所蔵資料だが、特に大聖堂のアーカイブズの利用は指定の一週間に数時間程度のもので、ノンビリ読む間もない。そのためこのプロジェクトでは、2014年夏と秋に開講されたMOOCのコース”Deciphering Secrets: Unlocking the Manuscripts of Medieval Spain”の受講生をcitizen-scholarsとして、デジタル化史料の翻刻と分析に参加させるという手法を採ったという。

現在のプラセンシアの大聖堂前

 

既に同プロジェクトはver.2.0の開発に着手しており、今後は、散策できるエリアの拡大やインターネット教育リソースの提供機能、ソーシャルメディアとの連携、そしてプレーヤーをアバターで表示させる機能を追加する予定とされている。

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誰もいない空間を歩き回るのは、少し、いやかなり違和感がある。また、一トピックで読む解説文が長すぎて、3Dにした意味があまり感じられない。とても興味深いかつ意義のあるプロジェクトだと思うので、今後の改善に期待したい。

 

 

 

Digital HumanitiesとDigital Historyの差異に関する昨今の議論に思う

ジョージメイソン大学のRRCHNM(Roy Rosenzweig Center for History and New Media)の新センター長Stephen Robertsonが、5月23日に、”The Differences between Digital History and Digital Humanities”という記事をブログに公開している。

「デジタルヒューマニティーズ/デジタルヒストリーの動向」というタイトルを掲げ、せっせと原稿を書いているものとしては反応せざるを得ないので、ひとまず以下にその概略をまとめておきたい。

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記事のテーマは、昨今のDHum(Digital Humanities)の議論におけるDHis(Digital History)の不在について。Dhumは専らdigital literary studiesとなっているのではないか。

大小さまざまな歴史学会においてデジタル技術の活用は注目されている。とはいえ、皆が使いこなせているわけではない。

使いこなしたうえでのDHisに議論を拡大していきたいものの、”DHum”としての成果では訴えるものがない。なぜか。その理由は、DHという言葉が分野横断的であるがゆえに助成金獲得に役立つ一方で、個々の専門のコンテクストからいえば理解しにくいものであるから。

では、DHum(Digital Literary Studies)とDHisとの違いは何か。

1つ目は、DHisでは、オンラインでの史料の提供や発信が主。だが、DHumから見れば、それはむしろオーラルヒストリーや民俗研究、パブリックヒストリーの領域とみなされる。もちろんDHumではないというわけではないが、あくまでDHumの中心からは外れている。

2つ目は、DHisはDHumで盛んに行われているテキストマイニングやトピックモデルではなく、デジタルマッピングに熱心である。もちろん、DHumでもマッピングの研究はあるし、DHisでもテキスト分析は行われているが。

歴史研究者がテキストマイニングやトピックモデルをしない理由の一つとして、機械可読可能なテキストの不在、あるいは少なさがあげられるのではないだろうか。

この問題については、ことし11月に開催予定のRRCHNMの20周年カンファレンス(2014/11/14-15)で取り上げるので、乞うご期待。

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その後、上記記事に対して、カリフォルニア大バークレー校の博士課程学生であるScott Paul McGinnis (馬吉寧)が反論を寄せている。色々な論点があり、まとめにくいが、ざっくりまとめると以下の通り。

 

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DHの中に歴史学はすでに含まれている。DHと歴史学に不協和音があるとすれば、その問題は歴史学の領域の中にデジタルなるものが入り込むのに時間がかかっている、ということ。結局、DHumと歴史学を分けて考えるのは間違いではないか。

Morettiとそのシンパが、DHumを20世紀の文学研究のあり方を変えるものと捉えることで、Distant Reading=DHumとの理解が広まっている。DHumは幅広い概念であり、Distant ReadingはDHumの一部に過ぎないにもかかわらず、DHum=Distant Readingとの理解から、DHumが文学研究中心であるかのように理解されているのではないか。
歴史学やその他領域がそれぞれのDHとするのではなく、DHの成果の共有が重要である。したがって、DHisを否定的に定義するのではなく、「歴史家は何をしているのか、それをデジタルなるものはどのように助けるのか」が問われるべきである。 云々…

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以下からは、現時点での感想をメモとしてまとめておく。

・ Robertsonの指摘するDHisとDHumの差異は感じているが、「デジタルヒューマニティーズ/デジタルヒストリーの動向」では、DHis含めDHum研究者の議論と反響を参考に、(図書館情報学に片足を突っ込みつつ)歴史学の立場から見て「面白そう」というものを、なるべく幅広く取り上げるように意識している。

・DHumは人文学という広大な領域を方法論的観点から包含する研究領域であると理解しているので、自然、DHisもDHumの中に含まれていると認識している。だが、人文学の諸領域でそれぞれ研究手法や考えが異なる以上、DHumとDHisで力点が異なるのは当然である。また、DHumという大きな傘が、DHumの成果の共有という点で重要である一方、個々の領域での深化という点では今後弊害になるかもしれないとも考えている。

・Scott Paul McGinnisのDisitant Readingの件は少々乱暴な印象を受けた。2000年以前から電子テキスト化の進展ゆえにDHumの主戦場が文献学や文学領域となり、史資料の検索データベースやデジタル化(≠テキスト化)の進展から、歴史学はDHに目を向けるようになったのではなかろうか。(というのも乱暴な議論だが、とりあえず感想なので書きとめておく。)

・歴史研究者がデジタル技術の活用に及び腰なのは、「どう捉えてよいかわからない」点にあるのでは。研究者にとって、DHisは新しい大きな可能性があるような気がしつつも、自身が抱えている問いと意義の上にそれが位置づけられていないので、評価の仕様がないのではなかろうか。とくに史資料のデータベースや史料のデジタル化は研究上大いに役立つものだが、歴史学の「本質」ではなく、「研究環境」として捉えられるであろうし。

Scott Paul McGinnisが以下のように述べているが、

In general, the best approach would be a combination of all available methods of research and discovery; in particular cases, the approach should be selected based upon the nature of the questions and sources involved.

これには自分も同意見である。個々の研究者の問いにDHisが位置づけられることで、DHisが「普通」となると思うが、それは結局、先ほど述べたように、DHum全体との疎遠化をもたらすと思う。

・ちなみにだが、スペインのDHisの研究者であるAnaclet Ponsが、自身のブログでRobertsonと Scott Paul McGinnisのブログ記事をスペイン語訳で紹介している。

 

 

歴史研究者向けGISトレーニングマニュアル 無料公開

このほど、アイダホ州立大学のJ. B. Owens博士の研究グループが、歴史研究者・歴史社会学研究者向けのGISトレーニングマニュアル” A Geographic Information Systems (GIS) Training Manual for Historians and Historical Social Scientists”を公開した。2014年5月23日付のH-Netでの投稿情報による。このマニュアルは、国立科学財団のグラントを受けて行われたプロジェクトの一部とのこと。

マニュアルはScribdで以下の通り公開されているほか、サイトではマニュアルに記載されているデータ等も公開されている。

A Geographic Information Systems (GIS) Training Manual for Historians and Historical Social Scientists

 

ちなみに、歴史研究者向けのGIS入門サイトには、”Geospatial Historian“というのもある。また、ググってみたら”A place in history: A guide to using GIS in historical research. 2nd Edition“というのが出てくるが、こちらは少し古い(2005年)の模様。

 

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この記事とは直接関係ないが、ほぼ同時期にRRCHNMのStephen Robertsonが”The Differences between Digital History and Digital Humanities“という記事を書いている。Digital Humanitiesの議論が主に文学研究に寄っており、Digital HumanitiesにおいてDigital Historyの影が薄いことを論じたものだが、その記事の中で、Digital Historyがテキスト分析がメインの文学研究とは異なり、マッピングの方に傾いていることを指摘している点も押さえておきたい。

 

 

アメリカ歴史学会がデジタル研究の評価のためのガイドライン作成に向け委員会を設置

アメリカ歴史学協会(AHA)が、今年1月に、デジタル研究成(Digital Scholarship)の評価をテーマとしたアドホックな委員会”the Ad Hoc Committee on Professional Evaluation of Digital Scholarship by Historians”を設置した。

歴史学研究や教育活動でニューメディアを利用したり、オンラインでの学術成果の発表が進むなかで、それらを研究者の雇用やテニュア、昇進のプロセスに位置づけるようにするのが目的。2年前の2012年1月に、この問題を提起した文書がAHAの委員会に提出され、そして同じ年の6月にタスクフォースが設置されていたので、今回の委員会設置はこの流れの中にあると思われる。

Ref: A Call to Redefine Historical Scholarship in the Digital Turn

同委員会は、デジタル研究評価やオンラインコミュニケーションの現状を調査するとともに、現在既に大学やその他関連機関においてデジタル研究成果を研究者雇用等に活かしているモデルを精査するなどして、今年(2014年)秋までに研究評価ガイドラインを作成するとしている。

ガイドラインには次の2点が含まれることになるという。

1. Criteria for evaluating digital projects and online scholarly communication for hiring, promotion & tenure.

2. A framework for applying those criteria to help departments and promotion committees in using them for actual cases.

上は、要するに、評価基準とその基準を取り入れるための枠組みを設定することにある。

また、委員会はガイドライン等の作成にあたっては、研究機関や大学の多様性や電子出版におけるピアレビューの問題等、複数項目についても考慮すべきとされている。

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デジタルな研究をどう評価すべきか、日本もこの問題と無縁ではないし、今後取り組むべき課題だと思う。

第一次世界大戦史料ポータル”Europeana 1914-1918″ ついに公開

2014年1月29日、かねてから予告されていたとおり、Europeanaによる第一次世界大戦史料ポータル”Europeana 1914-1918″がリニューアル公開された。

主な史料は次の通り。

・個人宅に眠る未刊行の書簡・写真史料など。9万点以上の史料がデジタルかされている。
・Europeana Collections 1914-1918 プロジェクトとして行ってきた、各国の第一次世界大戦関連のデジタル化史料40万点以上。
・フィルムアーカイブ:European Film Gateway 1914プロジェクトによる660時間のフィルム。ニュースやドキュメンタリー、フィクション、プロパガンダ・反戦フィルム等が含まれる。当時の完全な形でのサイレントフィルムがたったの20%しか残っていないことを考えると、貴重なコレクションなのだとか。
・Digital Public Library of Americaや、オーストラリアのTrove、ニュージーランドのDigital New Zealandからの史料提供も。

史料のブラウジングは、書簡や日記、絵葉書等の「資料種別』や、プロパガンダ・捕虜・女性といった「テーマ」、イタリア戦線や東部戦線等の「戦線」で行うことができる。

ちなみに、公開に併せ、30日と31日にはベルリンの図書館で国際カンファレンス’Unlocking sources – The First World War online & Europeana’が開催されている。

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すごいすごいと言うのはそろそろやめて、こういうのをどうやって歴史学的に評価すればよいのかを考えたい。

英国立公文書館が第一次世界大戦の英国兵士の日誌をデジタル化公開 クラウドソーシングによる史料へのタグ付け協力も募集

2014年1月14日、英国国立公文書館(The National Archives)が、第一次世界大戦でフランスおよびフランドル地方で戦闘に参加した英国兵士の日誌をデジタル化公開した。

これは、同館の第一次世界大戦100周年記念プログラムの一環で行われたもので、これまで150万ページがデジタル化されている。今回公開されたのはその一部で、30万ページに留まるが、年内には全史料の公開が予定されている。

また、同館とImperial War Museums、そしてZooniverseの3機関が共同で、”Operation War Diary”というサイトも同時に公開した。こちらは、一般市民の協力を得てクラウドソーシングで史料へのタグ付けを行うものとのこと。

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ということで、#WWI に関するDHプロジェクトまとめにも追記

 

 

オランダ史の雑誌”BMGN – Low Countries Historical Review”最新号がデジタルヒストリー特集

オランダやベルギー史に関する雑誌”BMGN – Low Countries Historical Review”の最新号(vol.128, No.4, 2013)が、デジタルヒストリーの特集を組んでいる。同誌は1969年にそれまで2つあったオランダ史の雑誌が1つになって誕生したもので、歴史ある雑誌のようだ。

オープンアクセス誌で、英語のものも複数ある。以下は、デジタルヒストリーの論文部分のみを抜粋。

“On Digital History”, Gerben Zaagsma,  3-29
“The Scent of the Digital Archive: Dilemmas with Archive Digitisation”, Charles Jeurgens,  30-54
“Big Data for Global History: The Transformative Promise of Digital Humanities”, Joris van Eijnatten, Toine Pieters, Jaap Verheul, 55-77
“Digital Historical Research: Context, Concepts and the Need for Reflection”, Hinke Piersma, Kees Ribbens, 78-102
“History as Dialogue: On Online Narrativity”, Chiel van den Akker, 103-117
“Public History in a Digital Context: Back to the Future or Back to Basics?”, Fien Danniau, 118-144

<Forum>
“‘Het einde van de geesteswetenschappen 1.0′ – ‘The End of the Humanities 1.0’ “, Geert Janssen, Kaat Wils, 145-146
“A Smell of Higher Honey: E-Humanities Perspectives”, Inger Leemans, 147-154
“Veins filled with the Diluted Sap of Rationality: A Critical Reply to Rens Bod”, Andreas Fickers, 155-163
“A Higher Form of Hermeneutics?: The Digital Humanities in Political Historiography”, Marnix Beyen, 164-170
“Who’s afraid of Patterns?: The Particular versus the Universal and the Meaning of Humanities 3.0”, Rens Bod, 171-180