National Endowment for the HumanitiesによるDigital HumanitiesのStart-up Grantsでたちあげられた、サウスカロライナ大学のRPGゲーム“Desperate Fishwives”。高校生や学部生を対象に、近世史がどのようなものかを理解してもらうことが目的とされている。
“Desperate Fishwives”では、Travaleという架空の村を舞台に、村人の一人となったプレイヤーが、近隣住民の問題(自殺や不義など)を解決しながら、警察権力などもない近世イングランドにおける下からの秩序維持のあり方を学ぶという。
プロジェクトメンバーの一人、Duncan Buell教授(コンピュータサイエンス)は「このゲームの目的の一つは、何かを学んでいると悟らせないことにある」という。また、メンバーの一人、Heidi Rae Cooley氏も「ゲームを通じて学生に、歴史がどのように明らかになるかを――個人の選択で出来事の結果がどのように変わるのか、状況に応じて変化しうるものであるということ――を知ってもらえれば」と話している。
今秋には、Buell氏とCooley氏はゲームを通じて人文学を学ぶGaming the Humanitiesという授業を共同で実施するという。
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学生時代、なぜ中世史好きが多いのかを院生仲間でしばしば議論していたが、その際大抵理由として出てきたのが、(想像の)中世ヨーロッパを舞台としたドラクエなどのRPGの影響だった。ゲームから歴史学に入るなら、それを使ってしまえばいいんじゃない?ということか。面白い。
- Computer game explores 17th-century village life – University of South Carolina
- The Promise of Digital Humanities – Inside Higher ED – 2011.09.28