284年以降の彫像・石碑等を検索できるデータベース“Last Statues of Antiquity”

既に公表された資料に基づいて、284年以降に建立され現代まで残る彫像や彫像の土台について検索できるデータベース“Last Statues of Antiquity ”。

オックスフォード大の R.R.R. Smith and Bryan Ward-Perkins等の研究グループが、AHRCの助成を得て作成したもので、2012年5月4日に公開されたようだ。

データベースは3通りの利用法があるとされている。

一つはブラウジングで(Browse)、サムネイル画像付きで、史料のタイプ・材質・高さ・所蔵場所等の基本情報を見ていくもの。

二つめは、LSA-○○の箇所をクリックして表示される、史料の詳細情報の画面。これで、数種類の画像とともに史料の詳しい情報を見ることができる。

三つ目はディスカッションのページ。二つ目で表示されたページの一番最後をクリックすることで表示される。ここでは史料の解釈等について文献を引きつつ議論が展開されている。

現在、データベースには2,700件弱のデータが収録されており、一応現存するものとして記録されている史料に関してはほぼすべてを網羅してあるとのこと。

——————-

古代史の言い回しには慣れていないので、ご容赦を

広告

歴史学知をメディアコンテンツとして「製品」にする“Historyworks”

歴史関係のドキュメンタリーフィルムやラジオ番組、ポッドキャスト、写真、ウェブサイトなどなど…歴史関係のメディアコンテンツの作成を行う、“Historyworks”という「会社」がある。イギリス、ヨーク大のInstitute for the Public Understanding of the Pastの所長であるHelen Weinsteinのほか、フリーランスの写真家・カメラマンやサウンドデザイナー等によって運営されている。

Historyworksは、博物館やギャラリー、文書館、図書館等に対して、ハイクオリティのメディアコンテンツを提供することを目的としている。だが、Historyworksは単なるヨーク大の学内プロジェクトではないようで、そのようなクオリティの高い製品の提供には、参加メンバーの高いスキルが必要であるとし、その道のプロが集められている。

Historyworksは、そのような歴史系メディアコンテンツの提供を通じて、歴史学と市民とのギャップを埋める、いわばPublic Historyとしての活動を目的としている。そしてそのために、大学や文化機関等に対して、ウェブサイト作成やレコーディングや撮影のスキル、ポッドキャストやアプリの開発スキル等を提供する研修や、研究者等に対して象牙の塔の外とのコミュニケーションのためのスキルアップ講座、マルチメディアコンテンツの作成スキル等の研修の機会も提供している。

————————-

Public Historyの活動としても、メディアと人文学知の融合、言い換えれば人文学のビジネス化としても、興味深い事例だと思う。

ビジネス業界と高等教育機関が共同で刊行した方が引用されるという結果に(スウェーデン)

レポートの中身は2007年のもののようだ。

詳細は以下の通り。

medeamalmo:

The report “Publication cooperation between businesses and the higher education sector in Sweden” from The Swedish Research Council shows that in medicine, publications produced by businesses and universities in cooperation were more frequently cited than publications produced by businesses alone. Other fields of science showed similar patterns.

An English summary is available here, including the full report in Swedish.

ヒューム研究者によるヒューム研究者のためのウェブサイト“davidhume.org”

ヒュームの書き遺した史料のほぼすべてをフリーのオープンアクセスで提供することを目指す“davidhume.org”。

ヒュームの一次史料に加えて、ヒューム研究の参考文献やウェブ上のヒューム研究へのリンクも提供するという。(が、まだまだこれからのようだ。)

作成者はオックスフォード大のHerford CollegeのPeter Millican氏と、Leeds Electronic Text CentreのAmyas Merivale氏。

——————

思想史研究におけるDHって、とりあえずこういうところから、なのだろうか。

ゴッホの絵画のパーツを使ってデジタル「紙芝居」を作るシリアスゲーム

オランダのゴッホ美術館の提供している子供向けのシリアスゲーム“Camilles kijkdoos”が、Europeana Design Award 2012で銀賞(?)に輝いたそうだ。

美術館所蔵の有名絵画を使って、それらに描かれているパーツを、立体的な空間上に配置して動かすというもの。

—————————-

ぐりぐり動かすと、結構面白い。

#大学あるある をGifアニメで表現した“The Problems of Academics”が面白い

くだらなすぎて面白い。“The Problems of Academics”というサイトがいい感じに肩の力を抜かせてくれる。

このサイトは、大学あるあるネタを全然関係ないGifアニメで表現しているもので、自分としてはツボにはまってしまった。

自分として面白かったのは以下など。

他にもいろいろ面白いのがあるので、ぜひじっくり。

国内11大学による「わが国のサスティナブルな成長に貢献するRU11(提言)」とNatureの記事から

2012年5月22日に、北大、東北大、筑波大、東大、早稲田、慶應、東京工大、名大、京大、阪大、九大の11大学で構成されるコンソーシアムRU11が、「わが国のサスティナブルな成長に貢献するRU11(提言)」を発表した。

具体的には以下の3つの提言が挙げられている。

提言1:限りある財源の中で努力する大学が更に成果を発揮できる環境に~厳しい財政状況の中、資金効率を高める方策を~

提言2:我が国最大の研究費「科学研究費補助金」の早期・完全基金化を~研究効率と資金効率を上げる仕組みの完成を~

提言3:優秀な人材が博士の道を選択し社会に貢献する魅力ある環境の整備を~「競争」と「雇用」の両立を~ 

このうち提言3の前提として、「RU11若手研究者を取り巻く厳しい雇用環境優秀な人材が博士を敬遠」が指摘されている。すなわち、「RU11修士の博士進学数・率が低下」しているとして、平成15年のRU11における修士から博士の進学率が22.8%であったのに対し、平成22年は17.5%となっている数字を挙げている。

ところで、RU11の提言とは別に、時期を同じくして、今年3月20日付けのNatureの記事「国立大学で若手研究者が減少傾向」が公開された。そこでは、若手研究者の減少傾向を指摘し、その原因の一つとして次のように述べている。

若手研究者が減少している原因の1つには、定年を65歳に延長する大学が相次いだことが挙げられる。

もちろん記事では、この指摘に関連して国立大における総人件費削減等を挙げている。しかし、RU11の提言には、このNatureの記事が指摘しているような大学内部の現職教員の滞留等は特に指摘されていないようだ。

——————

ということは当然、Natureの記事を提言を作成したRU11の大学関係者はどのように読んだのだろうか、ということになるが…