キングス・カレッジ・ロンドンのeリサーチセンターとデジタルヒューマニティーズ学科が統合

2012年1月23日に、キングス・カレッジ・ロンドンのeリサーチセンター(Centre for e-Research/CeRch)が、デジタルヒューマニティーズ学科と統合し、人文科学研究科(School of Arts & Humanities)内の一つの学科となると発表している。

2008年に設立されたCeRchは、それ以前の人文科学データサービス(Arts and Humanities Data Service)と、 人文科学研究協議会ICT方法ネットワーク(Arts and Humanities Research Council ICT Methods Network)を前身とした組織。電子図書館やデジタルアーカイブに関する研究を主とする。

デジタルヒューマニティーズ学科は、古典研究や歴史学、文学といった研究領域におけるデジタル技術活用の道を切り拓いた、イギリスにおけるパイオニア的存在とのこと。

デジタルヒューマニティーズ学科の新学科長には、British Libraryでキュレーターの職にあったAndrew Prescott教授が着任するようだ。

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歴史学関係の英文雑誌に投稿して返事が返ってくるまでの時間をまとめたWikiページ

海外、特に英語圏の歴史学関係雑誌に論文投稿をした場合、返事が返ってくるまでどれくらい時間がかかったのか、についてまとめたWikiのサイト。

本当かどうかわからないので、参考というよりネタ程度に。

若手歴史研究者のためのブログ指南“The History Blogging Project”

更新が途絶えてしまっているようだが、興味深いのでご紹介。

営利目的のブログ作成の講座はあるのに、研究者向けのものがない…ということで、イギリスのInstitute of Historical Researchの若手研究者ネットワークHistory Labによって2011年1月18日に始められたプロジェクト“The History Blogging Project”。

このプロジェクトでは、若手歴史研究者が研究に関するブログの作成や運営管理に役立つリソースの開発を行い、また、人文科学系のうち、とりわけ歴史研究に関することをブログに書くことにまつわる特有の問題についても議論するという。それらを通じて、若手歴史研究者に対し、ブログを使って様々な読み手に自分の研究をシェアする方法について学ぶ機会を提供するとしている。またそれと同時に、プロジェクトを通じて若手歴史研究者がブログのネットワークを作っていくための場としたいという。

プロジェクトサイトには、

・ブログの記事タイトルの決め方等といった具体的なノウハウ(”How to”)

・歴史研究者のアウトリーチ活動(あるいは、研究を社会へ広めるための活動)(Public Engagement)

・ブログをする理由・意義(Why blog?)

・コンテンツの書き方(Writing Content)

等といったカテゴリに分けて記事が掲載されている。

さらに、”Blog Showcase”のページでは、プロジェクト参加者・賛同者が開設している様々なブログを紹介していて興味深い。

ただ、冒頭に述べたとおり、更新が途絶えてしまっているようなのが残念。役目を終えたのか、あるいははやらなかった、のだろうか。

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こういう関連で近い将来出てくるのは、iBook Authorを使った歴史教科書や教材の作り方のサイトだろうか。

ニューヨーク公共図書館が、所蔵する4万点以上の立体写真(stereograph)を使った、GIFアニメとアナグリフ式の立体写真を作成できるサイトを公開したようだ。

nypl:

The Library has just launched Stereogranimator, a site that lets users turn our historic collection of stereographs into animated images like the one above. Read all about it in the Times and then go play! It’s the latest way we’re using technology to bring our collections to the public, following our What’s on the Menu, Biblion iPad app and map warping projects.

Caturday will never be the same …

古代から近世までの都市ローマの「水」と都市発展の関係を時空間にマッピングした“Aquae Urbis Romae”

都市ローマにおける河川や湧水等の自然と水道網や橋等といった人工物との間の関係について、その変遷を古代から近世までの時間軸とともに地図上にマッピングしたウェブサイト。米ヴァージニア大学のInstitute for Advanced Technology in the Humanitiesによる研究プロジェクトのようだ。

治水事業や水に関するインフラ整備がローマの市民生活に、すなわち、ローマの特徴でもある街道・広場・市場等にどのような影響を与えたのか、がこの研究プロジェクトの問いとなっている。

サイトのメインコンテンツは、画面中央のローマの地図に、水に関する建物やインフラ、川の流れやはては釣り場にいたるまでマッピングしたもので、それを地図の下にある前800年から1700年くらいまでのタイムラインのバーを操作して表示させるというもの。

なお、この研究プロジェクトは1992年に始まったものだとか。もう20年も前になるのか。

危機に瀕した人文学の将来のために “The Future of the Humanities”

2012年1月20日に、“The Future of the Humanities: A Think Tank”というウェブサイトが公開された。これは、主に文学理論等を専門とする、Paul Jay氏(Loyola University)、Gerald Graff氏(University of Illinois)、Gregory Jay氏(University of Wisconsin)の3氏が編集・運営を務めているサイトである。

この“The Future of the Humanities: A Think Tank”というサイトは、人文学の将来に関するニュース記事等の情報提供のためのハブ、あるいは研究者間の議論の場となることを目的として開設されたようだ。

ちなみに、Paul Jay氏とGerald Graff氏は、 2012年1月5日のInside Higher Ed.に、人文学の在り方や将来について論じた”Fear of Being Useful”という記事を寄せている。そちらも併せて読みたいところ。

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人文学の現状や今後に対する危機意識というのは、アメリカでもずいぶん強まっているのだろう。類似のサイトについてこのサイトでもこれまでいくつか取り上げてきたが、一度整理して論じてみる必要があるかもしれない。

イギリスの大学における人文・社会科学のアドヴォカシーのためのウェブサイト“Humanities Matter”

イギリスの大学における人文・社会科学の教育や研究活動を擁護し、促進を求めるキャンペーンサイト。2010年11月に公開され、UCLやLSE等の研究者が名を連ねているが、あまり更新頻度は高いわけではないようだ。