アメリカにおける人文学の現状を知るための統計データ提供サイト“Humanities Indicators”

2012年11月27日、アメリカ歴史学会(AHA)が、American Academy of Arts and Sciencesの運営しているウェブリソースサイト“Humanities Indicators”を紹介している。

この“Humanities Indicators”は、アメリカにおける人文学に関する様々な統計データとそのグラフを提供するもので、大きく5つのパートに分かれている。その5つとは、以下の通り。

① 小中高における人文学教育

② 大学および大学院における人文学教育

③ (特に大学・大学院における)人文学専攻者のキャリアパス

④ 人文学の研究助成・研究支援

⑤ 日常生活における人文学(人文学のスキル、公共図書館や博物館等の人文学関係機関への支持・利用、人文学に対する市民の意識等)

また、上記の5つのパートの下に、さらに詳しい情報がぶら下がっている。

例えば、「③ (特に大学・大学院における)人文学専攻者のキャリアパス」の下には、人文学専攻者の所得・職業満足度があり、これによると、アメリカ史専攻者は平均より11%高く、人文学では最も多く稼いでいる等が分かる(下図参照)。

ちなみに、データはアカデミーのスタッフによって定期的に更新され続けているとのこと。

かの国の人文学の現状を知るためには有効なツールだと思う。

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こういうのは日本でもぜひほしい。

査読を受け、かつデジタル形式で研究書を刊行する4つのモデルとは?

2012年11月16日に、ペンシルバニア大の歴史学部の院生向けに開催されたワークショップ“Researching, Writing and Publishing History in the Digital Age”で、ハートフォードトリニティカレッジのJack Dougherty准教授が招待講演を行っている。

講演は、「研究者にとってのデジタル出版環境の激変」をテーマとしたものだが、6分という短い時間であるため、あらかじめ10月30日に氏が自分のブログで、講演のコンセプトとなるものを例示している。それが、タイトルにある「査読を受け、かつデジタル形式で研究書を刊行する4つのモデル」である。

そしてそのモデルとは以下とのこと。

①電子書籍(印刷版をただ電子化したものから、デジタルコンテンツを駆使したデジタルならではのものまで存在)

②ガイド・サイト(紙または電子で刊行した研究書で扱うことができなかったものを、フリーアクセスのサイトを構築して提供するというもの。)

③ドラフト版の公開(ドラフト段階の原稿を公開して意見を募るオープンピアレビュー)

④オープンアクセス出版

ただし、いきなりあれこれを始めるのは勇気がいるものなので、さしあたり歴史系の院生は、カンファレンスペーパーをデジタル版で共同執筆・編集するところから始めたらどうか?と提案している。そのほか、ブログ記事では、4つのモデルにそれぞれの実例と、記事最後で参考になる論文数編が挙げられている。

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要するに、単に紙でやったことをデジタルにしましたということではない、ということだろう。当たり前といえばそうだが、歴史叙述の変化(の可能性)の一つとして考えておきたい。

第二次世界大戦期のオランダおよびその植民地史料の検索サイト “oorlogsbronnen.nl”

第二次世界大戦期のオランダおよびその植民地に特化した検索サイト”oorlogsbronnen.nl”。

オランダのDANS-KNAWや王立図書館、国立公文書館、5月4日5日委員会、視聴覚研究所、NIOD等による共同の戦争資料ネットワーク〝Netwerk Oorlogsbronnen”が提供しているもののようだ。アーカイブズや図書館等の所蔵する第二次大戦の史料、約200万点が検索できるとのこと。