オーストラリア発、英語圏のDH関連ニュースを提供する“2cultures.net(.au)”

オーストラリアのメルボルン大学等の数機関によるVictorian eResearch Strategic Initiative(VeRSI)というイニシアチブが運営している、100を超す英語圏のDigital Humanitiesを扱うブログや関連サイトの記事を提供するウェブサイト。

Digital Humanities Nowのサイトと似た感じで、記事タイトルをクリックするとその記事の提供元のサイトに飛ぶ仕掛けになっている。

—-

DHNowとどう差異化するんだろうか。

「あらゆるものに歴史がある」 ビル・ゲイツ肝入りの高校生向け歴史リソースプロジェクト“Big History Project”

オーストラリア、Macquarie UniversityのDavid Christian教授とビル・ゲイツ氏による高校生用の歴史リソースプロジェクト“Big History”。あらゆるものに宿る歴史をデジタル情報に放り込んで、学生の勉強意欲を刺激するようなものをつくろうということか。

「目的」のページにもあるが、単に「文系のみの歴史」=人文学的歴史だけではなく、自然科学領域との接点を示して、科学への興味を呼び起こすことも狙いとしているようだ。さらに、オンライン学習の提供、という点も一つの肝とのこと。

「人文科学と自然科学の架橋」と、「デジタル形式によるオンラインでの歴史学習環境の提供」による、「高校生の学習意欲の刺激」。成否はまだ分からないが、日本の歴史教育の議論では見られない(?)、発想の全然違うものとして面白いと思う。

デジタル技術を用いた人文学研究のためのインフラ整備を目指す“Project Bamboo”

“Project Bamboo”は、Andrew W. Mellon Foundationから助成を受けて進められている、人文学研究に関するデジタル技術の開発プロジェクトのようだ。

プロジェクトでは2012年春までに、デジタル技術を用いた研究にとって利用しやすい環境をつくること、高等教育機関が研究のためのアプリケーションやコレクションを維持し結びつけるために利用できるウェブサービスやプラットフォームなどを開発すること、専攻をまたいだコーパス研究の複雑で大規模なあり方を支援するために、電子的な研究環境がどのように進展するのかを見極めること、を掲げている。

つまり、人文学におけるデジタル技術を用いた研究のための環境整備、その様な研究のためにデータやツールを提供する図書館や企業などのための支援、ということなのだろう。Digital Humanitiesのためのインフラ整備と理解すればよいのだろうか。

なお、プロジェクトは、オーストラリア国立大学やインディアナ大学等、10大学が協力して行っている。