デジタル化一次史料サイトレビュー記事が期間限定で公開 アメリカ歴史学協会の機関誌で

アメリカ歴史学協会(AHA)の機関誌”American Historical Review”(AHR)の2016年4月号(Volume 121, Issue 2)で、”Digital Primary Sources”というレビュー記事が掲載されている。そのタイトル通り、オンラインで無料でアクセス可能なデジタル化一次史料のガイドとして作成されたもので、今後続刊でも同様のリストに掲載するため、クラウドソーシングで情報提供が求められている。

また、AHRの同じ号には Lara Putnamの“The Transnational and the Text-Searchable: Digitized Sources and the Shadows They Cast”というエッセイも掲載されている。

これらは、AHR2016年2月号掲載のデジタルヒストリーのレビュー論文と合わせて、60日間非会員にも公開されており、Putnam等の提起している問題に対するオープンな議論を喚起するのがねらいとされている。

Putnamの要旨(一部)は以下のとおり。デジタル化でテキスト検索ができるようになって、歴史学研究で前提とされた「場所」からの解放が進み、トランスナショナルヒストリーとつながった、というもの。

This essay explores the consequences for historians’ research of the twinned transnational and digitized turns. The accelerating digitization of primary and secondary sources and the rise of full-text web-based search to access information within them has transformed historians’ research practice, radically diminishing the role of place-specific prior expertise as a prerequisite to discovery. Indeed, we can now find information without knowing where to look. This has incited remarkably little reflection among mainstream historians, but the consequences are profound. …(後略)

まだ斜め読みしかできていないので、後で改めてよく読んでおきたい。

1800年以降のスペイン・ポルトガル・ラテンアメリカの出版史ポータルサイトEditores y Editoriales Iberoamericanos (siglos XIX-XXI)”(EDI-RED)が公開

5月5日に、スペイン、ポルトガル、ラテンアメリカにおける19世紀から現代までの出版社(出版者)史に関するポータルサイト”Editores y Editoriales Iberoamericanos (siglos XIX-XXI)”(EDI-RED)が公開された。スペインのCentro de Ciencias Humanas y Sociales (CSIC)の研究プロジェクトGrupo de Investigación Cultura, Edición y Literatura en el Ámbito Hispánico (siglos XIX-XXI) – (GICELAH) と、老舗のと言っていい電子図書館であるla Fundación Biblioteca Virtual Miguel de Cervantesによる。

ポータルサイトは、スペイン、ポルトガル語圏の出版文化を代表する人物や叢書の類を中心に二次情報をまとめたものだが、面白いのは、カタルーニャ語・バスク語・ガリシア語も項を割いているということと、電子出版に関する参考文献もまとめられていることだろうか。

ちなみに、カタルーニャ語の出版の項目でリンクしているPatrimoni d’Editors i Editats de Catalunyaも同じような出版史に関するポータルサイトだが、こちらは、カタルーニャ図書館を中心にカタルーニャの関係機関が作成したもので、EDI-REDと同様の二次情報の他に、作家や出版社のアーカイブズ史料も提供しているようだ。

#前の記事のように本の日/サン・ジョルディの日を調べている身としては、このプロジェクトはずいぶんありがたい。