神聖ローマの重要文庫“Bibliotheca Palatina”がデジタル化で「復活」へ

1386年ハイデルベルク大学設立にまでさかのぼり、30年戦争期後にヴァチカンとハイデルベルクに分かれてしまった、神聖ローマの最も重要な蔵書コレクションであるパラティーナ文庫“Bibliotheca Palatina”が、デジタル化技術で再現されるようだ。

2001年にハイデルベルク大学図書館が当該コレクションのデジタル化を開始し、2012年1月にはヴァチカン図書館も同様にデジタル化に着手したとのことで、これが終われば二つのデジタル化コレクションが再度一つにまとめられ、晴れて「復活」になるとのこと。

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Bibliotheca Palatinaを「パラティーナ文庫」と書くのかはちょっと自信ないが。

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スイス歴史学ポータルinfoclio.chがデジタル化『ルソー全集』を提供する“rousseauonline.ch”を公開

2012年はルソー生誕300周年ということで、ルソー年らしい。

これを記念してスイスの歴史学ポータル“infoclio.ch”は、7月10日、“rousseauonline.ch”をCCライセンスのもとで公開した。これは、1780年から1789年までにジェノヴァで刊行されたルソー全集(Collection complete des oeuvres)17巻、約10,000ページについて、オンライン版・PDF版・EPUB版の3種をフリーで提供するというもの。

テキストには、書誌情報がつけられており、また、オリジナル版とのページ番号の対応もさせてある。つまり、PDF等の文中に登場するページ番号をクリックすると、ジェノヴァ図書館のデジタルライブラリーで公開されているオリジナル版のルソー全集の当該ページが表示される。もちろん、全文検索も提供されている。

ちなみに、17巻の内容は以下の通り。

VOLUME 1. Ouvrages de politique

VOLUME 2. Julie ou la nouvelle Eloise, tome premier

VOLUME 3. Julie ou la nouvelle Eloise, tome II

VOLUME 4. Emile ou de l’education, tome premier

VOLUME 5. Emile, ou de l’education, tome II

VOLUME 6. Melanges, tome premier

VOLUME 7. Melanges, tome second

VOLUME 8. Theatre, poesie et musique

VOLUME 9. Dictionnaire de musique

VOLUME 10. Les confessions. Les reveries du promeneur solitaire.

VOLUME 11. Rousseau, juge de Jean-Jaques. Dialogues

VOLUME 12. Pieces sur divers sujets et recueil de lettres sur la philosophie, la morale et la politique

VOLUME 13. Supplement a la collection des oeuvres de J. J. Rousseau, tome premier

VOLUME 14. Supplement a la collection des oeuvres de J. J. Rousseau, tome second

VOLUME 15. Supplement a la collection des oeuvres de J. J. Rousseau, tome troisieme

VOLUME 16. Second supplement a la collection des oeuvres de J. J. Rousseau, tome premier

VOLUME 17. Second supplement a la collection des oeuvres de J. J. Rousseau, tome second

「18世紀」をテーマとしたデジタルヒストリーサイト“EighteenthCentury.org”

18世紀に関する学習・研究・教育に関心のある人のための共同ツールとなることを目指して作られたウェブサイト“EighteenthCentury.org”。2008年12月に立ち上げられた。

最近の記事をざっと見てみると、アメリカ18世紀研究協会(American Society for Eighteenth-Century Studies)の大会で、Digital Humanitiesの部会を開くための情報共有をしているようで、何かしらのデジタルヒストリーのプロジェクトを進めている、というわけでもなさそうだ。アメリカでの近世史研究者内のDH関係者の情報共有サイト、といった位置づけかもしれない。

そのほかウェブサイトにはRSSフィードを利用して以下の雑誌の最新号の目次の情報も提供している。

近世書簡史料検索サイト“Early Modern Letters Online”

イギリスのオクスフォード大ボードリアン図書館と同大学の人文学部との共同研究プロジェクトCultures of Knowledgeが公開しているサイト“Early Modern Letters Online”。

16世紀初めから18世紀(検索窓には1839年も表示されるが)までの書簡史料について、書き手、送り手、関連した人名、日付け等から検索できる。

具体的なコレクション群は次の8つ。

・Bodleian card catalogue (48,817 letters)

・The Correspondence of John Aubrey (1,073 letters)

・The Correspondence of Jan Amos Comenius (526 letters)

・The Correspondence of Samuel Hartlib (4,589 letters)

・The Correspondence of Edward Lhwyd (2,139 letters)

・The Correspondence of Martin Lister (1,141 letters)

・The Correspondence of John Selden (355 letters)

・The Correspondence of John Wallis (2,002 letters)

なお、現在はベータ版で、2012年後半にも公式リリースとなる予定とのこと。

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ちなみに、文芸共和国関係では、書簡史料のやりとりをマッピングしたスタンフォード大のMapping the Republic of Letters等もある。

近世史研究者はおさえておくべき “Early Modern Resources”と“Early Modern Commons”

これは近世史研究者にとっては常識なのだろうか。

“Early Modern Resources”は、1500-1800年の近世史研究に関するリソースへのゲートウェイサイトだ。

近世史に関する、無料でアクセスできるサイトのみをまとめており、それらサイト群は、史料提供サイトや文献検索、ツール、研究対象地域、研究テーマ等に分けられている。

具体的には次の通り。

●Making History

 Blogs/Historians/Popular histories

●Primary sources

 Editions/Images/Maps

●Reference

 Associations/Bibliographies/E-journals/General reference/Reviews/Useful tools

●Regions

 Africa/Americas/Asia/Australasia/Europe

●Themes

 Arts/Cultures/Gender/Law & Order/Learning/Material worlds/New worlds/Politics

また、姉妹編のサイトとして“Early Modern Commons”も提供されている。

これは、近世史に関する様々なブログのアグリゲーターサイトで、各ブログに付与されているタグを使って、関心のあるブログ群を発見できたり、もちろん検索も可能となっている。登録されているブログはざっくり見たところ100以上あるだろう。

そのほか、近世史のカンファレンスやイベントの情報、“early modern”の単語のあるツイッターの検索結果一覧等も見ることができる。

上記2つのサイトの作成者は、シェフィールド大学のSharon Howardさんで、これまでProceedings of the Old Bailey/Central Criminal CourtとLondon Lives and the Making of Modern London 1690-1800の二つのデジタルヒストリープロジェクトの運営に携わってきた方。現在は、Connected Historiesに関わっているとか。

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今まで知らなかったのが恥ずかしい。

ヨーロッパ史学史電子図書館“ELIOHS”

ヨーロッパ史学史上の重要文献を提供する電子図書館。1996年開始のようだ。運営はトリエステ大学のGuido Abbattista氏とフィレンツェ大学のRolando Minuti氏が中心で、その他イタリアやフランス、アメリカの大学関係者が加わっている。

サイトでは、近代歴史学の古典や、歴史学方法論・歴史理論に関する著作とともに、その著作を著した史家の略歴と参考文献も提供している。対象は16世紀から20世紀までのもの。

公開されているテキストは、ELIOHSによってテキスト化されたものもあれば、他の電子図書館(GallicaやProject Gutenberg)で参照させるものもある。

この電子図書館の目的は、信頼できるテキストをインターネットで提供することにあるようで、テキスト化したものを使って分析しようというものではないようだ。DHとしてはこれを踏まえて次にどうするかが問題か。

ELIOHS: Electronic Libarary of Historiography