「人文学って重要だよね!」を示したインフォグラフィック

UCLのDHセンターと人文学のアドヴォカシーを行う4Humanitiesが、“The Humanities Matter!”というインフォグラフィックを公開した。

 

・そもそも人文学はどのようなことをしているのか。

・人文学に寄せられる批判はどのような内容で、

・その批判は本当に妥当なものなのかをデータをもとに反論し、

・文化って重要だと思われているし、実際重要ですよね、

というようなことをまとめたもの。

2012年のインフォグラフィック”Quantifying Digital Humanities”のフォローアップという位置づけとのこと。

個人的には、アメリカのCEOや製品開発のトップの約60%が人文学の学位を持っているとか、人文学で習得するスキルは企業が求めているものだ、という話は面白いと思うが、

“The value of the Humanities is more often in the questions posed

than the answers found; Humanistic study is not formulaic.”

というのがぐさりと刺さった。人文系研究者の皆様にはぜひご覧いただきたい資料だと思う。

 

———————

日本の統計データで似たようなものは作れないだろうか。

広告

Digital History文献リスト

フィレンツェのEuropean University Institute歴史学部図書館に勤務する、歴史情報学スペシャリスト(History Information Specialist)Serge Noiret氏がまとめられたDigital Historyの基本文献資料。プレゼン用資料とのこと。

氏のブログとあわせてみておきたい。 

Digital Public Humanitiesをテーマにしたプレゼン資料

ブラウン大のSteven Lubar教授(米国研究、米国史、芸術・建築史)が、2012年10月13日にNew England American Studies Associationの大会で行った基調講演のプレゼン資料等一式を、氏のブログで公開されている。

テーマは“Digital Public Humanities”。Digital HumanitiesとPublic Humanitiesがどの程度オーバーラップするのか、どれくらい今以上にオーバーラップできるのか、について議論したもの。スライド資料とともに、ペーパーや参考資料(氏のブログ記事の一番下にリンクあり)、聴衆のTwitterまとめ等も載せられていて、いろいろ面白い。

Digital Public Humanities; Notes for NEASA Talk 10-12-2012

—————————-

自分がこれまでDHとPHの境界をあいまいにしてきたことに気づき反省。しかし、”Open Humanities”というキーワードもしっかり追っていかねば。

アメリカにおけるPublic Humanitiesの文脈や歴史を学んでおかないと、DHを理解しそこなうかもしれない。

国際会議を元にした人文学史シリーズ“The Making of the Humanities”がオープンアクセスで公開 11月には第3回目の会議が開催

2010年に第1巻“EARLY MODERN EUROPE”、2012年に第2巻“ From Early Modern to Modern Disciplines”が刊行された(少々スケールの大きい)人文学史シリーズ“The Making of the Humanities”(Bod, Rens, Maat, Jaap & Weststeijn, Thijs, Amsterdam Univ. Press)が、OAPEN Libraryで無料公開されている。PDFダウンロード化。

どうやらこのシリーズは、2008年、2010年に開催された書名と同じタイトルの国際カンファレンスが元になっているようだ。今年の11月1日からはローマで第3回目のカンファレンスが開催されることになっていて、プログラムにはThe Humanities and the Sciences、The Humanities in Society等とともに、Writing History、Information Science and Digital Humanities等のセッションも入っている。

——————————-

ありそうな気もしたが、類例が思いつかない。興味深い、野心的な取り組み。

デジタルヒストリーのための情報提供プロジェクト“HISTORE”が開催した初のワークショップのプレゼン資料等が公開

イギリスのIHRが進めている、歴史研究者のためのデジタルツール情報提供プロジェクト”HISTORE”が、2012年6月21日に初のワークショップを開催した。

HISTOREのブログでは、その際使われたプレゼン資料とワークショップの報告記事が掲載されている。プレゼン資料は、HISTOREプロジェクト概要とテキストマイニング、そしてデジタル化資料のマークアッププロジェクトをテーマにしたもの、4つである。(今後、音声と可能であれば動画も公開予定とのこと。)

ワークショップの報告記事では、まず、歴史研究者にデジタルツールを学ぶ環境がないこと、そもそも研究に役立つどんなツールがあるのかといった基本的な知識すら歴史研究者には欠けていることが述べられている。そして、ワークショップの議論から、歴史研究者には、どんなツールがあり、どのように使えばよいのかといった情報を容易に入手したいというニーズがあるとまとめられている。

HISTOREは8月末までに、セマンティックデータとテキストマイニングを扱った「モジュール」の開発を行っているとのことで、それらのモジュール公開はそれらのニーズにかなうものであるとしている。

歴史研究者にとって電子書籍とは

アメリカ歴史学会(AHA)の”Perspectives on History”の2012年5月号に、“History E-books May Be Good for Reading, but Not (Yet) for Reviewing”という記事が掲載されている。

タイトル通りの内容で、「歴史研究者にとって電子書籍は、読むにはいいけど、レビューする際には(まだ)あまりいいものではない」というものだ。

記事の内容のポイントをいくつか取り上げると次の通り。

・AHAメンバー101人に対して、過去4年間AHAの賞の選考のために、本を電子媒体で受け取ることに関心がないと答えたのは68%であった。これに対し、電子媒体の方がよいと回答したのが8%で、23%はデジタル版の本でも構わないと答えた。

・上記調査で62%は現在電子書籍を読んでいると回答しており、全員が電子書籍に対してネガティブな印象を持っているわけではないことが分かる。このように、電子書籍を読むことに関して好意的な人が増えているのは明らかだが、電子書籍はテキストをレビューする際に現在行っている方法ではできない点に難点があるとされる。

・レビューする際の方法は、82%が印刷本への書き込みもしくはマーク付けを行うと答えた。余白にいつも/だいたい書き込むと答えたのは38%、参照のためポストイットを使うが32%、下線を引くと応えたのは29%だった。

・歴史書を読んでハイライトをすると応えたのは20%強に過ぎず、反対に(めったに)したことがないと答えたのは80%弱にもなることから、現状の電子書籍の機能で、ハイライトとコメント付与が可能となっているものの、調査の結果からは、それらはあまり必要ではない機能であることが示された。

・レビュー目的では、電子より紙がよいと答えた理由は、紙の方が飛ばし読みがしやすいこと、深く読み込む場合にとっては、脚注と引用との間の結び方に限界があること、電子書籍は書評を書いたり結果をまとめる際に邪魔になること等が挙げられた。

最後に結論として、「ボーンデジタルとなるなら話は別だが、調査結果からは、電子書籍は近い将来の差し迫った問題にはなっていないことが分かる」と指摘している。