2016年「歴史学関係雑誌論文新着情報」のふりかえり

放置しっぱなしの歴史学関係雑誌論文新着情報のアカウントだが、Twitterアナリティクスを使って、2016年のツイートの様子やフォロワーの反応を調べてみることにした。

そもそもこのアカウントには、
・日本の歴史学関係雑誌論文のすべてを網羅しておらず、そもそもNDLの雑誌記事索引すら網羅できていないということ。
・同じ論文情報を2度ツイートしていたりするので、以下のインプレッション数等は全ツイートで同条件ではない。
というところがあるので注意されたい。
これらをおさえたうえで、以下のような結果となった。

・2016年の総ツイート数 3,248件
・2016年のインプレッション総数 3,409,202件
(*インプレッション数とは、ユーザーがtwitterでツイートを見た回数。)

・インプレッション数の多い上位10ツイートは以下の通り。

 

順位 “ツイート本文” “時間” “インプレッション”
1 “「防空」のジェンダー : 戦前戦後における日本の空襲言説の変容と布置 / 長 志珠絵 https://t.co/qalhH6Xi2w “2016-07-04 00:45 +0000” “9442.0”
2 “太平洋戦争期中島飛行機の機体事業と生産能率 / 佐藤 達男 https://t.co/BFDrMxX4pp “2016-01-18 01:12 +0000” “6910.0”
3 “筧克彦「やまとばたらき(皇国運動/日本体操)」の分析 : 明るき国家の肯定と身体技法 / 西田 彰一 https://t.co/0VviPei3sk “2016-05-15 21:22 +0000” “6140.0”
4 “特集「総力戦とジェンダー」にあたって (特集 総力戦とジェンダー) https://t.co/WjcwOwAC26 “2016-08-08 00:00 +0000” “5486.0”
5 “デジタル時代の歴史学 デジタル歴史学の最新動向 : フランス語圏におけるアーカイブ構築およびコミュニティ形成の事例紹介 / 長野 壮一 https://t.co/QEoir49gaD “2016-01-31 15:28 +0000” “5193.0”
6 “魔女研究の新動向 : ドイツ近世史を中心に / 小林 繁子 https://t.co/ujpuSYjY6q “2016-06-13 01:11 +0000” “5159.0”
7 “西洋史学はディシプリンか : 母国語による近代化の上に成立した世界的にユニークな学問 (特集 他者としての「西洋史学」) / 佐藤 正幸 https://t.co/s6FSELZpgn “2016-12-19 08:15 +0000” “4808.0”
8 “書評 ジェフリー・ハーフ著 星乃治彦・臼杵陽・熊野直樹・北村厚・今井宏昌訳『ナチのプロパガンダとアラブ世界』 / 佐藤 卓己 https://t.co/WkCp393vGF “2016-04-25 13:38 +0000” “4657.0”
9 “近世・部会報告 近世社会と学知 : 古賀侗庵と怪異から (2015年度大会特集号) / 木場 貴俊 https://t.co/GXqW2zWyDx “2016-01-24 14:55 +0000” “4632.0”
10 “満洲事変と日本陸軍の演芸人利用 : 宣伝活動としての慰問団派遣 / 石原 豪 https://t.co/70SFooCID7 “2016-11-13 17:24 +0000” “4547.0”

 

・最後に、エンゲージメント率の高かった上位10ツイートは以下の通り。
(*エンゲージメント率とは、エンゲージメント(クリック・リツイート・返信・フォロー・いいね)の数をインプレッションの合計数で割って算出したもの。平たくいうと、ツイートを見た数に関係なく反応の良かったもの、となるか。)

 

順位 “ツイート本文” “時間” “エンゲージメント率”(%)
1 “七世紀後半における境界の変遷過程 : 国境と評境を中心に (舘野和己教授退職記念号) / 村上 菜菜 https://t.co/S9UcrQ0NVK “2016-03-13 17:20 +0000” 11.09
2 “古琉球期における相続性についての一考察 : 首里系家譜に含まれる逸文記事の分析を中心に / 濵地 龍磨 https://t.co/W9OyY2EnDi “2016-12-12 02:44 +0000” 6.73
3 “近世スウェーデンにおける塩生産の認識 : スウェーデン重商主義者アンデシュ・ノルデンクランツを事例に / 齊藤 豪大: (32):2015.12. P.15-24 . https://t.co/aYeGR2W6Mf “2016-01-24 13:10 +0000” 5.40
4 “古代日本における唐風化政策と祥瑞思想の受容 / 小塩 慶 https://t.co/QNG4anOeEQ “2016-04-24 18:04 +0000” 5.12
5 “コメント : 「帝国」の断絶と持続 (特集 日本宗教史像の再構築 : トランスナショナルヒストリーを中心として ; 帝国日本と民間信仰) / 川瀬 貴也 https://t.co/wAuWaaIJkY “2016-02-07 23:32 +0000” 4.56
6 “制度論的政治史試論 : 4つの制度から考える / 清水 唯一朗 https://t.co/sVaR5d47hd “2016-12-05 11:51 +0000” 4.55
7 “幕末期民衆における「家」・「個人」意識と超越観念 : 菅野八郎の士分化運動を事例として / 青野 誠 https://t.co/yc8ft2HvOR “2016-12-11 23:44 +0000” 4.42
8 “山田耕筰研究の動向と現実性 / 栫 大也 https://t.co/uEz8pxaZNU “2016-02-28 17:03 +0000” 4.33
9 “曹操期の鄴建都の意義 / 木村 佐知子 https://t.co/oiaTDoP7Ns “2016-06-12 20:38 +0000” 4.30
10 “書評 板垣貴志著『牛と農村の近代史 : 家畜預託慣行の研究』 / 野間 万里子 https://t.co/oJ4Wyh8ZPW “2016-02-21 15:59 +0000” 4.08

 

以上の通りです。見逃した方は参考にしてください。

それではどうぞよいお年を。

デジタル化一次史料サイトレビュー記事が期間限定で公開 アメリカ歴史学協会の機関誌で

アメリカ歴史学協会(AHA)の機関誌”American Historical Review”(AHR)の2016年4月号(Volume 121, Issue 2)で、”Digital Primary Sources”というレビュー記事が掲載されている。そのタイトル通り、オンラインで無料でアクセス可能なデジタル化一次史料のガイドとして作成されたもので、今後続刊でも同様のリストに掲載するため、クラウドソーシングで情報提供が求められている。

また、AHRの同じ号には Lara Putnamの“The Transnational and the Text-Searchable: Digitized Sources and the Shadows They Cast”というエッセイも掲載されている。

これらは、AHR2016年2月号掲載のデジタルヒストリーのレビュー論文と合わせて、60日間非会員にも公開されており、Putnam等の提起している問題に対するオープンな議論を喚起するのがねらいとされている。

Putnamの要旨(一部)は以下のとおり。デジタル化でテキスト検索ができるようになって、歴史学研究で前提とされた「場所」からの解放が進み、トランスナショナルヒストリーとつながった、というもの。

This essay explores the consequences for historians’ research of the twinned transnational and digitized turns. The accelerating digitization of primary and secondary sources and the rise of full-text web-based search to access information within them has transformed historians’ research practice, radically diminishing the role of place-specific prior expertise as a prerequisite to discovery. Indeed, we can now find information without knowing where to look. This has incited remarkably little reflection among mainstream historians, but the consequences are profound. …(後略)

まだ斜め読みしかできていないので、後で改めてよく読んでおきたい。

ZoteroとMendeleyにDHの日本語文献をまとめるグループ”Digital Humanities (Japanese) / デジタルヒューマニティーズ(日本語文献)”を開設しました

文献管理ツールのMendeleyに、Digital Humanities(デジタル人文学/デジタルヒューマニティーズ/人文情報学等)の日本語の文献を共同でまとめるグループを開設しました。Publicの設定にしているので、どなたでも参加・閲覧可能です。

DHの文献グループは、MendeleyやZotero等にそれぞれ複数あり、また英語だけでなくスペイン語、フランス語などでそれぞれ情報がまとめられているところですが、日本もあればよいかな、と言うことで作成しました。

※その後、MendeleyだけでなくZoteroにも同様にグループを作成しました。(2014/1/31追記)

あまり熱心に更新することはないかもしれませんが、何かあればぼちぼち載せていきたいと思います。

つきましては、ご協力いただける方あるいは関心のある方、どうぞご参加ください。

Menedely: Digital Humanities (Japanese) / デジタルヒューマニティーズ(日本語文献)

Zotero: Digital Humanities (Japanese) / デジタルヒューマニティーズ(日本語文献)

オランダ史の雑誌”BMGN – Low Countries Historical Review”最新号がデジタルヒストリー特集

オランダやベルギー史に関する雑誌”BMGN – Low Countries Historical Review”の最新号(vol.128, No.4, 2013)が、デジタルヒストリーの特集を組んでいる。同誌は1969年にそれまで2つあったオランダ史の雑誌が1つになって誕生したもので、歴史ある雑誌のようだ。

オープンアクセス誌で、英語のものも複数ある。以下は、デジタルヒストリーの論文部分のみを抜粋。

“On Digital History”, Gerben Zaagsma,  3-29
“The Scent of the Digital Archive: Dilemmas with Archive Digitisation”, Charles Jeurgens,  30-54
“Big Data for Global History: The Transformative Promise of Digital Humanities”, Joris van Eijnatten, Toine Pieters, Jaap Verheul, 55-77
“Digital Historical Research: Context, Concepts and the Need for Reflection”, Hinke Piersma, Kees Ribbens, 78-102
“History as Dialogue: On Online Narrativity”, Chiel van den Akker, 103-117
“Public History in a Digital Context: Back to the Future or Back to Basics?”, Fien Danniau, 118-144

<Forum>
“‘Het einde van de geesteswetenschappen 1.0′ – ‘The End of the Humanities 1.0’ “, Geert Janssen, Kaat Wils, 145-146
“A Smell of Higher Honey: E-Humanities Perspectives”, Inger Leemans, 147-154
“Veins filled with the Diluted Sap of Rationality: A Critical Reply to Rens Bod”, Andreas Fickers, 155-163
“A Higher Form of Hermeneutics?: The Digital Humanities in Political Historiography”, Marnix Beyen, 164-170
“Who’s afraid of Patterns?: The Particular versus the Universal and the Meaning of Humanities 3.0”, Rens Bod, 171-180

 

Culture Machine(vol.12, 2011)がDigital Humanitiesを特集

“Culture Machine”の最新号(Vol. 12 (2011))が、“The Digital Humanities: Beyond Computing”の特集を組んでいる。

“Culture Machine”は、1999年に創刊された、カルチュラル・スタディーズと文化理論に関する査読付きオープンアクセス誌。

各論考は以下の通り。ウェブサイトではそれぞれPDFで提供されている。

・Rethinking the Digital Humanities in the Context of Originary Technicity / Federica Frabetti 

・Believing in the (Analogico-)Digital / Jake Buckley

・Humanities Approaches to Interface Theory / Johanna Drucker

・Technics and Violence in Electronic Literature / Davin Heckman

・E-Lit Works as ‘Forms of Culture’: Envisioning Digital Literary Subjectivity / Mauro Carassai 

・The Digital Future of Authorship: Rethinking Originality / Kathleen Fitzpatrick 

・Meaning, Semiotechnologies and Participatory Media / Ganaele Langlois

・On the Embodied Aesthetics of Code / Scott Dexter, Melissa Dolese, Angelika Seidel, Aaron Kozbelt

・Glitch/Glitsh: (More Power) Lucky Break and the Position of Modern Technology / Benjamin Schultz-Figueroa

・The Computational Turn: Thinking About the Digital Humanities / David M. Berry

・The Digital Humanities Beyond Computing: A Postscript / Gary Hall 

“Portal de Portales Latindex ”:スペインとイベロアメリカの論文検索ポータルサイト

メキシコ国立自治大学が公開した、スペイン、ポルトガル、イベロアメリカで出版されている論文を一括で検索できるポータルサイトのポータルサイト。各国で出されていた検索用のポータルサイトをまとめて検索できるようだ。

だが、例えばスペインのDialnetを検索したときと、“Portal de Portales Latindex ”を検索したときとでは同じ検索語でも結果に違いがあるようなので、「本当に」まとめて検索しているわけではないようだ。

とはいえ、もちろんスペイン文化圏の研究者にとってはありがたいものだろう。

歴史学関係雑誌論文の新着情報を @historyarticles で配信

このサイトの右側に設置している、「歴史学関係雑誌の”国立国会図書館雑誌記事新着情報”」に新規に論文情報が追加された際に、Twitterで配信するように設定した。

「歴史学関係」とは、西洋史に限らず、日本史も東洋史も入っているが、雑索に掲載されるような邦語の文献のみを対象にしている。

ツイートには、論文タイトルと著者名等と共に、歴史系ニュースで使用されているハッシュタグ(#rekisinews)とURLを掲載している。なお、URLは国会図書館の雑索に飛ぶようになっている。

アカウントは以下のとおり。

設置して3日ほど経ったがほとんどツイートしないので、更新頻度が高いわけではなさそうだ。

たまーに流れる歴史関係の雑誌論文に興味のある方はお気軽にフォローを。

(なお、試行的なものなので、うまくいかなくてもあしからずご容赦を。)

cf.

歴史学関係(と思われる)新刊雑誌の目次情報