「役に立つ13の専攻」と「役に立たない13の専攻」

The Daily Beastというニュースサイトで「役に立たない13の専攻」と「役に立つ13の専攻」という2つの記事が掲載されている。

いずれの記事も、2012年1月にジョージタウン大学のCenter on Education and the Workforceが刊行した“Hard Times”という、学部時代の専攻と就職・給料との関係について調査したレポートと、労働統計局(Bureau of Labor Statistics)のデータに基づいてまとめられている。

したがって、「役に立つ」とか「役に立たない」というのは、低い失業率と高い給料を得られる、今後10年間成長する見込みのある分野に就職できるか否か、という観点でのもの。紹介されている計26の専攻については、最近の就職率や給料や、2020年までの成長の見込み等も紹介されている。

それで、役に立つとされた13の専攻は次の通り。

1. Nursing 

2. Mechanical Engineering 

3. Electrical Engineering 

4. Civil Engineering 

5. Computer Science

6. Finance 

7. Marketing and Marketing Research 

8. Mathematics 

9. Accounting

10. French, German, Latin, and other Common Foreign Languages 

11. General Business 

12. Elementary Education 

13. Economics 

10位?にフランス語やドイツ語の外国語の専攻があげられているのは興味深い。

次に、役に立たないとされた13の専攻は以下の通り。

1. Fine Arts

2. Drama and Theatre Arts 

3. Film, Video, and Photographic Arts

4. Commercial Art and Graphic Design

5. Architecture

6. Philosophy and Religious Studies

7. English Literature and Language

8. Journalism

9. Anthropology and Archeology

10. Hospitality Management

11. Music

12. History

13. Political Science and Government

こちらは軒並み人文・芸術系。12位?に歴史学が出ている。

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件の“Hard Times”というレポートについては少し前にも話題になっていたかもしれない。

「世界各国の人文学の高等研究教育拠点」

東大のグローバルCOE「共生のための国際哲学教育研究センター(UTCP)」が2009年に公開した資料。各国の人文学の高等研究教育拠点についてまとめてある。

資料冒頭で、人文学の研究拠点の状況として、「創設時期」「運営形態」「理念や目的」がまとめられているが、そのうち「創設時期」に以下のような記述がある。

1930年に創設されたアメリカ・プリンストン市の高等研究院を最たる先駆者として、人文学の高等研究院のほとんどが世界各国で1990年代から2000年代にかけて創設されている。1988年にはすでに「人文学センター・研究院コンソーシアム(The Consortium of Humanities Centers and Institutes: CHCI)」が組織され、人文学系の高等研究院のあいだで国際的な協働体制が確立しているほどである。CHCIは各機関の成果の公表、相互交流、情報交換などを目的とし、アメリカ、オーストラリア、カナダ、イギリス、ドイツ、中国、台湾、韓国などの150以上の機関が加盟している。CHCI への加盟機関数が2007年以降だけで25%も増加していることからも分かるとおり、世界各地の人文学系の高等研究院の創設と国際連携はますます強化されていると言えよう。東アジアでCHCIに加盟していないのは日本だけであり、日本でも卓越した高等研究院の設立と人文学の国際共同体制への参入が切に期待されるところである。

1990年代以降がほとんどということは、京大人文研のような組織は逆に珍しいということだろうか。なんにせよ、歴史学という枠ですら狭いということを忘れないように。

人文科学系に特化したオープンアクセス雑誌の検索エンジン“JURN”

人文科学系に特化した、フルテキストのオープンアクセス雑誌の検索エンジンとのこと。Googleのカスタムサーチを利用しているようだ。

今のところ4303誌の無料のジャーナルを検索可能。

また、JURNのブログサイトに掲載されている、関連サイトのリンクも結構参考になるものが載っている。

ぜんぜん知らなかったが有名なのだろうか。というか、誰が作っているのかよく分からないな。。

“Our world needs the humanities” - The Australian(2011.07.13)より

アメリカ、シカゴ大のMartha C. Nussbaum氏のインタビュー記事。

かいつまんでいくつか拾い上げると、以下のようなことが書かれているようだ。

  • 人文学(≒リベラル・アーツ)は批判的思考を持った市民を育成する上で必要であり、また、リベラル・アーツはビジネスにおけるイノベーションを生み出し、健全な職場環境を促進するのにも役立つものである。
  • リベラル・アーツを学ぶのは、経済的に豊かなバックグラウンドを持つ学生であり、貧しい学生はより職業に直結した大学に学ぶ傾向にあるという考えがあるが、それは必ずしも真ではない。
  • 人文学よりもビジネスや科学・技術のほうが必要というのは誤りである。必要なのは、良き市民と健全なビジネス文化を生み出す能力を高めるための、人文学と創造的な基礎科学との連携である。

なお、このNussbaum氏の近著に、同じような(と思われる)主張をまとめた、Not For Profit: Why Democracy Needs the Humanitiesというのがあるとのこと。

以下は思考メモ。

・(Not For Profitという本も見てみないとなんとも言えないが、)人文学の学問としての営みについての自己検証がない。(そもそも、これまでの通りでよいなら、人文学の意義を問われるような事態にはなっていないだろう。)

・竹内洋氏が著されているような、日本における教養主義の盛衰史を知ってしまった後では、すんなり首肯しうるものではない。

・ただ、内容はともかく、人文学の存在意義を積極的に示そうとする点は参考にすべき。

METRIS、イギリスにおける「政策のための人文・社会科学」の動向を紹介

METRISのニュースで、イギリスにおいて人文・社会科学が政策決定などに貢献するものとして重視されつつあると紹介されている。

社会科学についてもいろいろ書かれているが、人文科学については以下のことが取り上げられている。

・2005年にそれまであった、Arts and Humanities Research Board をArts and Humanities Research Councilに格上げ。その後、政策方面への進出強化や‘AHRC Delivery Plan 2011-2015’による学際的研究の推進

・研究助成の動向

・人文系の研究基盤と人文系に関わるビジネスとの知識交流を政府が推進

なお、METRISは、2010年11月24日にヨーロッパ委員会が公開した、社会科学・人文科学の研究動向を伝えるポータルサイト“Monitoring Emerging Trends on Social Sciences and Humanities in Europe”のこと。