“歴史ビジネス”という身の立て方 AHA2013におけるセッション“The Entrepreneurial Historian”

アメリカ歴史学協会(AHA)の2013年年次大会で、“Malleable PhD”というシリーズセッションが開催され、この中で“The Entrepreneurial Historian”という一セッションが行われた。

このセッションは、単なるアカデミズム外へのキャリアパスではなく、歴史学を元にしたビジネス展開をテーマとしたもので、歴史学をもとにした起業家による報告が行われた。登壇者は以下のとおり。

Kristen Gwinn-Becker:History IT。文書館等を対象に資料デジタル化とデータベースサービスを提供する企業。

Alexandra (Lexi) Lord:Ultimate History Project。就職難ゆえにアカデミズムを去る研究者に対して、そのスキルを生かしてもらうべく成果公表を行うプロジェクト。また、大学所属の研究者に対しても一般市民への発信のための支援も行う。

Jennifer Stevens:Stevens Historical Research。環境や法問題に関する調査研究、文化資源管理業等を行う。

Brian Martin:History Associates。30年以上の歴史があり、80名の従業員を雇う歴史系企業。

このほか二人の大学所属研究者も登壇している。一人がミシガン大のMcClellenで、アカデミックの世界と一般企業との世界が対立するものと考えるのはもはや捨て去るべき「幻想」だと述べている。もう一人は、ウェストフロリダ大のPatrick Mooreで、ここでは地域コミュニティとの連携で行ったNext Exit Historyというアプリ開発を通じたPublic Historyのプログラムが紹介された。

AHAのまとめ記事を見る限り、パネリストは歴史学あるいは人文学の教養を否定的に捉えているのではなく、歴史研究者としてのバックグラウンドやこれまで受けた訓練が“歴史ビジネス”をする上で重要だと述べていたようだ。ただその一方で、狭い専門性を幅広く適用するという必須の能力を養うのが難しいという。これは、研究者としては訓練されない、むしろ抑圧されるものだから、とのこと。

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Alt-Academyを一歩進めた議論で色々と興味深いと思うが、お国柄というのもあるんだろう。

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