タコツボ化故に「つまらなく」なっていく歴史研究者へ AHA会長からの問題提起

2012年3月のアメリカ歴史学会(AHA)発行の“Perspectives on History”にAHA会長 William Crononによる“Professional Boredom”という論考が掲載されている。

論考は、いわゆる歴史研究のタコツボ化によって、研究内容が個々の専門領域の関係者のみにわかる閉じたものとなってしまい、他の領域の研究者だけでなく、一般市民にとっても「つまらない」ものとなってしまっている現状を批判的に取り上げている。

この論考は、「専門の歴史研究者とは何ぞや?」という問題提起も含んでおり、いろいろと考えさせらえた。(例えば、著者にとっては「歴史の専門家」とは単に専門の論文を書く研究者だけではなく、歴史の教師や歴史関係のライター、歴史展示のキュレーター等も「専門家」として肯定的にとらえられている。そして、著者は、AHAの会員全員が高い実証を誇る論文を書くだけの「専門の歴史研究者」になろうとしなくてもよいのではないかとも語っている。)

論考の最後には、タコツボ化から脱するための方法として、以下のようなことを指摘している。

・「専門家」を狭くとらえすぎないこと

・閉じた世界でのみ議論しないこと。

・歴史に関心のある人を広く迎え入れるようにオープンなものとすること。

・教育者であることを忘れないこと。

・過去を無味乾燥で退屈でつまらないと思う非専門家に対して、過去を生き生きと伝えるのが歴史家の使命でありもっとも重要な任務であることを忘れないこと。

ちなみに、この論考に対してはそれなりに反響があったようで、AHAが4月11日のブログでその反響をまとめた記事も掲載している。併せて読みたい。

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