歴史学専攻の学生は何を学ぶべきか、何ができるようになるべきか? アメリカ歴史学会が全米規模で統一指針を構築する“Tuning Project”を開始

2012年2月13日に、アメリカ歴史学会(AHA)がLumina Foundationの助成のもと、“Tuning Project”という全米規模の新たなプロジェクトの開始を発表している。

このTuning Projectは、大学での歴史教育・歴史研究の核とは何か、歴史学専攻の学生は何を学ぶべきであり、学位(準学士、学士、修士)取得時に何ができるようになっていなければならないかについて、全米規模で一つの指針を構築しようというものである。プロジェクトの主担当は、Anne Hyde氏 (Colorado College)と Patricia Limerick氏(University of Colorado Boulder) の二人で、国内60以上の大学から研究者が参加するという。

より具体的に、プロジェクトの目的として以下の3点が挙げられている。

①歴史学の核となる能力、思考様式、必要とされる知識を示す。

②学生・企業・文化に対し、歴史学固有の価値を表現するための明確かつ共通の言語様式を作り上げる。何を、そしてなぜ学んでいるのかをはっきりと自覚できる学生が、その後の生涯学習やキャリア形成、市民としての社会参加に学問をよりよく結びつけられるようにする。

③歴史研究者が、教育者としての成果測定において、自組織で使われるシステムを作れるような全米規模の枠組みを提供する。

このような、大学における歴史学の意義を国内で統一させようという「チューニング」は、10年ほど前にヨーロッパで始まったもので、以来世界的に広まっているものの、アメリカでは地方レベルにとどまるという。

今後は、2012年6月と2013年2月にプロジェクト参加研究者が会合をもち、歴史学を特徴づけるスキルや方法論等についてのドラフトを作成し議論するとともに、講義の場での実践を経て練り上げられる予定とのこと。

AHA会長のJames Grossman氏は「このプロジェクトはAHAが力を入れている、歴史研究者の間の、および歴史研究者と一般市民との間のコミュニケーション促進の一部をなすものである。」とコメントしている。

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歴史教育の縛りになってはまずいだろうが、歴史学を修めるとこういうことができるんですよ、と示すには必要なことと思う。興味深いプロジェクト。

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