アメリカ歴史学会会長からのさらなる提案“Plan C”

2週間ほど前に書いた「アメリカ歴史学会会長 「若手のテニュアへの就職状況は改善する見込みはもはやない。そのため…」」の記事で取り上げた、アメリカ歴史学会(AHA)会長らによる記事“No More Plan B”の続編がAHAのウェブサイトで公開されているのでご紹介。

記事はまず、前回の“No More Plan B”への反響の紹介から始まる。その中で、軍で働く歴史研究者からの、「最大の問題は、アカデミズムの中にいるものがアカデミズムの外に人との間での相互交流が必要だということ」との指摘が紹介される。

AHAがアカデミズム内外を結ぶパブリックヒストリーの取り組みを行うことはもちろん可能だが、しかしそれは、PhDを育てる研究者や、その研究者が働く大学などによって担われる必要があるという。パブリックヒストリーへの取り組みは一部の大学でみられるものの、大多数ではそれをPhD養成の正道とは考えておらず、依然としてPhDのプログラムからは切り離されたものとみなされている。そしてそのためにメディアから、そのような視野の狭さが学生の可能性を狭めるのであり、研究者とは違う道に進んで成功した歴史研究者が切り開いた道に後から続くものを生み出しにくくなるのだ、とたたかれてしまうという。

会長らはこのような指摘はおかしいと反論するが、それでも、歴史研究者自身も博士を養成する自分たちの能力や貢献を過小評価しているのではないかと指摘する。人文系のポストが減らされる事態を失望するのは、教育活動が市民を育てるのと同じように労働者を育成するものであるという考えに拠っているからではないか、歴史研究者もまた自分自身たちにそして学生に対して、納税者に対するのと同じ様に、歴史学のPhDがさまざまな職業につながる扉を開くものであることを説くべきなのだと主張する。

その職業選択の可能性を広げる方法として、大学全体での協力関係を作ることが提案される。これにより、現状では提供できていない教育(例として、デジタル技術や、ファイナンス、マネジメントに関するコース)を学生に提供できるとしている。

最後に、好むと好まざるとに関わらず、今は新たなスキルが必要とされる新たな仕事が生まれている時代なのだから、自分たちが受けてきたこれまでの教育方法を学生に伝えることに固執するのではなく、新たな方法を開拓し、歴史学に関わり続けるための方法を探し、そしてそれを実践することが必要なのだと括られる。

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Insider Higher EDがまとめているように、

・博士課程のカリキュラムにパブリックヒストリーを取り入れる

・教員の意識改革

・大学全体の協働

の3つがポイントのよう。

なお、上記は要点をざっくりまとめたものなので、思わぬ誤読や勘違いがあるかもしれません。是非原文でご確認を。

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