グラスゴー大学のDigital Humanitiesプロジェクト一覧と中世スコットランドアイデンティティ研究のためのデータベース

スコットランドのグラスゴー大学人文学部によるDigital Humanitiesに関するプロジェクト一覧。全部で83件あるようだ。

画面右にあるタブクラウドを使ってテーマを絞り込むことができるが、“History”を選択して登場したのは、1件のデータベースだった。

“The Paradox of Medieval Scotland 1093-1286: Social Relationships and Identities before the Wars of Independence”というプロジェクトだが、これは、1093年から1286年の中世スコットランドの特許状(charterをそう訳してよかったか記憶が…)6000件以上をデータベース化したもの。

興味深いと思ったのが、データベース化の目的が中世スコットランドのアイデンティティ研究にあるとしている点。1093年から1286年までの間は近代スコットランドの基礎を作る時期であったそうだが、研究者Rees Daviesによると、ブリテン諸島の一部としてイングランド人の定住とアングロ・ノルマン化が進んだ時期にもかかわらずスコットランドが政治的な独立を維持した、いわばパラドキシカルな時期にあたるという。さらに、その独立が怪しくなってくると、ある意味でスコットランド意識に目覚めていったとされるが、しかし反対にイングランド人の移住や社会機構・文化のイングランド化によってスコットランド人とイングランド人との間の差が融解していった時期ともみなされる、さらにパラドキシカルな時期でもあるという。

このパラドックスを解くべく、近代スコットランドアイデンティティが1093年から1286年の間に(つまりスコットランド独立戦争以前に)どのように形成されたのかを調査するのが、このプロジェクトの目的だというわけだ。データベースでは、1093年から1286年の間、スコットランドで名前の残っている人物情報を調査できるという。サイトには、データベースの使い方の手引きも載せられていて親切仕様。

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学生のころ、アイデンティティ研究で結構な数の遺言状などを読み込んでいる方がいて大変そうだと思っていたが、データベースはこういう方面にも使えるのか、と。

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