厚労省の平成23年版労働経済白書における人文系の学部・修士卒の進路について

7月8日に厚生労働省が労働経済白書『平成23年版労働経済の分析』を公表した。

このうち、人文系の学部・修士卒業者の進路について、第2章第2節「学卒者の職業選択」の中で次のように触れられている。

(人文科学や社会科学の進路は相対的に不安定)

大学卒業後の主な進路である就職と進学について学科別の進路を比較すると、人文科学や社会科学では就職者が最も多く、進学者の割合は小さい一方、理学や工学では就職者も多いが進学者も多く、1990 年代以降進学者数は大きく増加しているという特徴がみられる(付2-(2)-6 表)。次に、第2 -(2)- 30 図により、学科別に就職も進学もしない者の割合をみると、人文科学、社会科学、家政、芸術などの文系学科で高く、一方、理学、工学、農学、保健などの理系学科では相対的に低い水準である。こうした傾向は1990 年代以降それほど大きくは変わっていない。

(『平成23年版労働経済の分析. p. 136.)

(大学院進学における諸課題)

…就職も進学もしていない者の割合を大学院と学部の間で比較すると、理学、工学等では、大学院卒の方が学部卒に比べ就職も進学もしない者の割合が低くなっている一方、人文科学、社会科学、家政、芸術、教育では、大学院卒の方が学部卒よりも就職も進学もしない者の割合が高くなっている。

主に、文系学科では、大学院に進学したとしても、卒業後に就職先や進路が決まらない割合が高く、大学院で身につけた専門的な知識が、必ずしも社会的なニーズが高くない可能性がある。大学院進学率の上昇については、今までのように教育水準の向上の観点から評価するだけではなく、社会のニーズを踏まえて再検討される必要がある。

(『平成23年版労働経済の分析. p.139.)

以下は私的な思考メモ。

上の記述は、「大学」が「企業」のニーズにあった卒業者を排出すべき、という視点で書かれており、「企業」が「大学」の排出する人文系卒業者の知識にそのニーズをあわせるべき(=生かすべき)、という視点はではない。

当たり前といえば当たり前だが、では、それはいつから「当たり前」なのだろうか?戦後の大学改革の当初からのものなのだろうか?

いわゆる大学論では、人文社会系に限らず理系も含めた「総体としての大学」という視点で語られる場合が多いように感じているが、人文系に視野を限定した場合、人文系もまた、大学設置の当初から企業のニーズに合わせるべき、という視点だったのだろうか?

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